占ツクとかいう黒歴史製造サイト

ちょっと自分語りさせてほしい。


私がこのサイトを知ったのは小学生のとき。そこそこ文学少女だったので図書館の本を読み尽くしてしまい、ネット上の小説を読み漁ってて夢小説というものを知った。そこから夢小説を通してアニメやらラノベやらにハマり、普通にヲタク化した。

普通にヲタク化したはいいものの、中学に入って何を血迷ったか鬼畜強豪吹奏楽部に入部してしまう。しかしヲタ活をしなくなった訳ではなく、数少ない貴重なオフは一日中占ツクで夢小説を読み漁った。ちょっと出来心で作品を作ってみたりしたけど、忙しいのと飽き性ですぐ更新停止。完結したことは無かった。この頃からアニメやらラノベのコンテンツというより、占ツクというサイト自体が居心地が良くて好きだった。自分語り大好き人間の私は日記なんかを連載し始めて、ネッ友ができたりかなり楽しかった。


ここまでの話だとネト充を謳歌しているように聞こえる。実際、ここで知り合った人達の1部とはTwitterを通して今も仲がいい。しかし、問題はリアルにあった。

ただでさえコミュ障体質だったのに、占ツクにより文章でのコミュニケーションが中途半端に得意になったことによって口頭でのコミュニケーション能力は著しく低下。普通にド陰キャになった。

基本的にこれを読んでる占ツク民の皆さまは3分の2陰キャだろうけど(失礼)、陰キャって人権ないよね。
少なくとも私のいた中学はそうだった。別にいじめられるわけでもない。ただ人権がないだけ。スクールカースト下位は存在を認められないだけ。これ結構心にくる。まあ私の場合、部活内は実力主義でそこそこ人権あったからいいけど、クラスで女子にないがしろにされるのはシンプルに辛かった。

この状況をなんとかしたいと思った当時中学三年生の私がとった行動は至って簡単だ。執拗に勧誘してくる音大付属高校への推薦入学を蹴り、電車で県を超えて片道一時間半、そこそこの偏差値の私立高校を受験し、合格。高校入学直前まで続く部活をやっと引退し、その日のうちに占ツクをログアウトした。


つまり、どこにでもある高校デビューだ。

これは客観的に見て大成功だったと思う。文章でのコミュニケーション能力を生かしてTwitterのリア垢を開設。同じクラスになる人と入学前から友達になった。クラスメイトはいい人ばっかりで、私はクラスの中心人物とまではいかなくても、みんなの前で「文化祭はこれがしたい！」とか言えるぐらいの人権は手に入れた。

ヲタクをひた隠しにして中学とはかけ離れたジャンルの部活に入部。そこもなかなかにヲタクの巣窟だったが、私はアニメなんて知りませんよ〜みたいな顔して差別化を図った。仲良い子には「あんたはヲタクでも陰キャでもないのにあいつらと一緒に過ごさなきゃいけないの大変だね〜」なんて言われた。私もそっちの人間だよとか思いつつ笑って誤魔化した。


現在私は高校2年生をやっている。

クラスメイトはほぼ変わらず、なんでも話せるいつメン、ちょっと面倒くさいけど何だかんだ生徒思いの担任、そしてただの陰キャだと思ってたら実はめちゃくちゃ美術の才能に溢れた知識人でクラスメイトで私の所属する部活の部長をやっている、ハイスペック彼氏に恵まれた。

そして文学少女という1面も活かし、図書委員をやっていたら、推薦されて成り行きで図書委員長になってしまった。あと弁論大会で賞をとった。物凄い権力をお持ちの先生と仲良くなって、大学受験に失敗したら先生の仲いい理事長が経営している学校に入れてもらえることになった。この間の模試の校内順位は6位だった。

つまり、そこそこの地位と幸せを手に入れた。


長々と自分語りをしてしまったが、この経験を通して占ツク民の小中学生に伝えたいことは、貴重な青春時代をこんな小さな画面のマイナーなサイトで完結していいのか、ということだ。決して占ツクをやめろと言っている訳では無い。占ツクを通して、色んなことを学んで欲しいのだ。

幸せの形は人それぞれだけど、私が高校生になってもこのサイトに引き篭っていたら、占ツク内での地位は手に入ったかもしれない。でも、リアルではどうだろう。

ちなみに、私が今まで作った占ツクでの作品はどれも未熟で読むに耐えないがログインのパスワードなんて覚えてるはずもなく、更新停止のまま放置されている。目を背けたいただの黒歴史だ。

今、占ツク以外にすることがないと思っていても、いずれ占ツクを卒業する時が来る。もっと年齢層の高いほかのサイトに移動したり、リアルが忙しくなってそれどころではなくなったりする。

その時、あなたは占ツクというサイトで何を学んだ？

つまらない荒らし問題や誹謗中傷、低評価にぎゃあぎゃあ騒いだ経験が、今後の人生に役に立つか？

答えはノーだ。

どうせ同じサイトを利用して同じように黒歴史作品を製造するなら、今後の人生に役立つスキルを身につけてほしい。

私は占ツクを通してネットの怖さや優しさ、本を読むことの大切さを学び、文章でのコミュニケーション能力やスルースキルを身につけた。

今これを読んでいる小中学生のみなさんは、少なからず保護者に通信機器を与えられ、占ツクで夢小説を読み漁る時間もある。そして私の長い文章を読み切る読解力もある。世界的に見てそこそこ恵まれた環境にいると言っていいだろう。

そんな未来ある占ツク民に幸せになって欲しい、そう思ってこの文章を執筆した。

どうかこの文章が誰かの心に良い影響を与えますように。

2018/12/19 Amemi

追記*2019/01/07 Amemi
これを投稿して占ツクには顔を出さないつもりだったのに興味本位で覗いたら思ったより反響があってびっくりしてます、こんな長ったらしい文章を読んでくださってありがとうございます。
もし何かあればコメントも返したいと思います。
悩める占ツク民のみなさん、頑張って！

2019/01/12 誤字修正

追記*2019/01/24 Amemi

山乙女 桜さん、零菜さん、コメントありがとうございます。
コメント欄では文字数が足りないので、少し長くなってしまいますがこちらで回答します。

まず、一つ誤解を解かせていただきたい。私の書き方が悪かったのかもしれませんが、私は「陰キャ」＝「ヲタク」ではないと思っています。

例えば、クラスの中心人物たち、俗に言う陽キャの中には某有名男性アイドルユニットのヲタクだっていますよね。世間一般において秋葉原に出没するようなアニメやゲームのヲタクが陰キャだと思われているのは、彼らに圧倒的にコミュニケーション能力が欠如しているからです。

なぜアニメやゲームのヲタクはコミュニケーション能力が低いことが多いのか、これは説明しているとキリがないので気になる方はご自分で調べてください。個人的には北野武(ビートたけし)の「全思考」というエッセイがオススメです。ヲタクにめちゃくちゃに厳しくて心にきますが的を射ていて為になります。

話が逸れましたが、私が言いたいことは、陰キャが陰キャたる所以はコミュニケーション能力が低いということです。決してヲタクだから陰キャという訳ではありません。そして本文にも書いた通り、このサイト、占ツクでも文章でのコミュニケーション能力は培うことができますが、リアルでのコミュニケーション能力は育ちません。

「陰キャ上等」、「陰キャになることを覚悟している」と仰る山乙女 桜さん、零菜さんはきっと、誰になんと言われようとやりたいことを貫き通せる強いお方なのだと思います。私にはその強さがなかったので、コミュニケーション能力をつけるほうを選びました。確かに、趣味の合う友達だけと話しているのも楽しいことです。

しかしそれでクラスの大多数とのコミュニケーションをはなから諦めてしまったら社交性や協調性がないと見なされてしまうのです。これらがないと、具体的にはこれから先生きていくための進学や就職に影響をきたします。

例えば、高校入試で面接を受けるとします。大抵の高校では、「あなたは中学校で何を学びましたか？」と尋ねられます。その時、占ツクだけを生きがいにしていたらどうでしょう。「占いツクールというサイトで夢小説を書いて、殿堂入りしました！」と答えるでしょうか。面接官に鼻で笑われるのがオチです。

しかし占ツクで培った文章力を生かし、例えば宿題の作文を頑張って書いて賞を取ったとします。そうすれば、面接官に胸を張って「私は作文コンクールで賞を取りました。普段から沢山の小説を読み、書いていたからです。」と答えることができます。嘘は言っていません。占ツクで沢山の(夢)小説を読み、書いていることに変わりはありません。

私は、小中学生の未来ある占ツクユーザーのみなさんに、占ツクをただの夢小説を読み漁り公開するだけのサイトとするのではなく、そこで培ったものを生かして次のステップを踏んでほしいと思いました。そこで、「占ツクとかいう黒歴史製造サイト」という、あえて反感を買いそうなタイトルをつけました。
実際、あと２〜３年経てば、今自分の小説に誇りを持っている方でも、その小説を黒歴史だと感じることがあると思います。自分が幼少期にその当時は自慢げに描いたであろう下手くそな絵を周りに見せびらかしていたと聞いたら、たいていの人は黒歴史だと感じると思います。人間誰しも成長し、今より下手なものは見たくないものです。

それから、「陰キャに人権がない」というのは比喩表現です。日本に生まれた時点で人権がない人間は存在しません。ですが陰キャとして学校で生活していれば、少なからずほかのクラスメイトと違う対応をされた経験はあると思います。
例えば私は、クラスで2人組を作らなくてはならない時に、クラスの人数は偶数であまりが出るはずがないのに何故か余っていたことがありました。それは私がクラスメイトに「一緒に組まない？」などと話しかけることを初めから諦めていたせいです。

人権は日本国民を保護するものです。しかし無条件に守ってもらえるというわけではありません。国民の三大義務として、納税、労働、教育があるのはご存知ですよね。権利というのは、義務を全うすることで初めて生じると私は考えます。コミュニケーションをとるという義務を放棄している陰キャに、クラスメイトと協力し合う権利があるはずがありません。

お二方が仰るように、必ずしも好きなことを我慢してコミュニケーション能力をつけ、リア充デビューしなくてはならないわけではありません。好きなことをして生きていきたい、コミュ力も友達もいらない、クラスで孤立しても気にしない。その強さは羨ましい限りです。そういうふうに生きて成功を収めた偉人もいます。エジソンが(これは天性のものかもしれませんが)周りを気にせず自分を貫き小学校を退学させられた話は有名ですよね。

しかし陰キャを脱したいと思った時、必ずしもヲタクを辞めたり隠したりする必要はないのです。陰キャの定義は難しいですが、ヲタクでも、コミュニケーション能力をつけて誰とでもコミュニケーションをとればそれは陰キャではありません。そしてコミュニケーション能力は、占ツクに引きこもっていては身につくことはありません。

私は「陰キャはダメだ！コミュ力をつけろ！」とか、「占ツクは黒歴史だから今すぐやめろ！」と強要するつもりはありません。好きなことを少し我慢してリア充を満喫するも世間体を気にせずヲタ活を満喫するも個人の自由で、他人にどちらかを強要される筋合いはないのです。自分の性に合った方を選択していいんです。

このページを見てくださる未来ある占ツク民のみなさんが、正しい選択をできることを祈っています。

本編より長くなってしまった気がしますが、ここまで読んで下さりありがとうございました。