フォボス症候群

第四十三話 ミドリ ページ45

…どうしたものか


先程、ヤバい人とすれ違ってしまった。

仕事を終え、資料を持って行こうとしたところ能力を抑えるネックレスを忘れていたので取りに戻ろうとしたところ、ゴーグルのようなものをつけた人とぶつかってしまった。

俺の能力は死因が見える能力……能力を使っている間、それぞれその人の死んだ様子が見える。銃で撃たれたような傷がある人は銃に撃たれたことが死因となり、かなり精神的にくる。

しかもネックレスで抑えなければ終始能力を使いっぱなしのため、すれ違った人の死因が見えてしまったのだ。


「白いパーカーを着た人物に、ゴーグルをつけた人物……」


白いパーカーを着た人物は首から上が無くなっており、指や腕も可笑しな方向に曲がっていて、明らかに殺意のある殺され方だった。

多分、沢山の人の怨みを買ったのだろう。


ゴーグルをつけた人物は、可笑しかった。下半身がほぼないのはいいとして、うっすらと少年のような影が見えた…


とにかく、ヤバい。

「カンパニー内にこんな奴らが潜入しとるなんて……少なくとも近いうち、何かが起こる…！？」




俺の頭の中で、警報が鳴り響いた。

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