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第四十二話 マコト ページ44

風を切る音、人の話し声


「ふ〜ふんふん〜ん〜♪」

俺達は今、ドロモスワークスカンパニーへと向かってる。
鼻歌を歌っているのは俺だ。

「…緊張というものを知らないのかお前は」

一緒に歩いていたヒトミが呆れたように声をかけてきた。

べつに俺は緊張していない訳ではない、顔に出ないだけだ。こんな絶好のチャンスなんてもう訪れないだろうし、逆に失敗した時のことを考えてもドキドキする。


「ふふふ…俺だって緊張ぐらいはするさ、ところでヒトミ……ちゃんと準備はできてるな?」

「勿論、完璧」

ヒトミはこれから人を殺しに行くというのに、何も思っていないのか……真顔で答えてきた。

そこから俺達は他愛もない会話を続け、カンパニーへ到着した。



スザンナによると『スザンナの恋人は裏の仕事の関係者』とかいう設定を作っているらしいので、恋人だと言えば通してくれるらしいが……

「すいません、スージーに会いにきたのですが……」

そう声をかけると、警備員達は簡単に会社内へ入る許可をくれた。


「なんだよ、飛んだガバガバセキュリティだな」

ヒトミが何かつまらそうに呟いたのを聞き流し、俺は会社内へと入っていった。


「……でけぇな」

小学生並みの感想を発したところで、俺達は地下研究所へ足を早めた。


「おわっと…すまんな………ッ…!?」

途中、長髪を縛った薄茶髪の男とヒトミの肩がぶつかったが、薄茶髪の男は何を思ったのか…その場からすぐに立ち去っていった。

「……」

ヒトミも何か思うところがあったのか、しばらく無言で立ち止まっていたがすぐに歩みを進め、地下研究所へ向かうエレベーターの前へたどり着いた。


「地下に着いたら別行動だな。」

「ああ、そうだな」

「これ…マコトが持っててよ」

そういうとヒトミは、小さい頃お揃いで買ったペンダントを渡してきた。

「なんだお前……死亡フラグ立てる気か?」

そう俺が言うと、ヒトミは分かりやすく眉間にシワを寄せ溜息をついた。


「…はぁ〜……俺が折角いい雰囲気を出してやろうと思ったのにさ〜…預けるだけだよ。戦闘で割れるかもだし」

「いや、かけとけ」

「…は?」


「ん〜なんかぁ〜……なんとなく?」

「…分かった、かけとくよ」

案外あっさりとヒトミはペンダントを首にかけ直した。

「あ、でも割るなよ?」

「割るわけねぇじゃん、お前こそ割るなよな?」

俺はヒトミの言葉に元気よく満面の笑みで答えた。




「はは!!当たり前だ!!!!」

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りおーね(プロフ) - 修正終わりました〜 (2019年3月28日 12時) (レス) id: c9f96cbb66 (このIDを非表示/違反報告)
りおーね(プロフ) - 少し修正します (2019年3月28日 12時) (レス) id: c9f96cbb66 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 祝!続編!!頑張りましょう (2019年3月27日 22時) (レス) id: 43e3ad1e0e (このIDを非表示/違反報告)
零霧―ゼロキリ―(プロフ) - 長めじゃなかったですね、更新終わりました!あと、続編を作る必要があるみたいなんですが…どうすればいいですかね? (2019年3月27日 21時) (レス) id: 64e187c771 (このIDを非表示/違反報告)
雷夜@馬鹿な小説家(プロフ) - 修正完了しました! (2019年3月27日 20時) (レス) id: 4f6eef4efb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他9人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年3月21日 17時

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