少年少女、恋物語°*18歳編*°Part５

第185話『咳』 ページ19

〜貴方side〜


貴方「…ｺﾞﾎｯ…ｹﾎｯ…」


食べてから少しすると、咳まで出てきた。


カノ「…大丈夫…？」


カノは聞きながら、私の背中を擦ってくれた。


貴方「…ｺﾞﾎｯ…だい…じょう…ぶ…ｹﾎｯ…」


でも、喋るのも辛いなぁ…


カノ「あぁっ！無理して喋らなくていいよ？」


なるべく迷惑かけたくなくて、みんなに連絡しないで、なんて言ってたけど……


カノ一人だけじゃ、負担かけちゃう……


はしゃぎ過ぎたらダメって……


今までの経験で十分わかってたはずなのに……。


本当に私、馬鹿だなぁ……。


貴方「…ごめんっ…ね…ｹﾎｯ…ｹﾎｯ」


なんか……


悔しくて、申し訳なくて……


そんな自分が大ッ嫌いで……


涙が滲んできた。


そして、この状況で泣きそうになっている自分も大ッ嫌いだ…。



でも…


カノ、優しいね…。



こんなにもダメな私を…


優しく包み込むように抱き締めてくれた。



カノ「…Aちゃん、遠慮なんてしないで…？…自分のこと、嫌いにならないで…？」



そんなこと言ったら私……


その優しさに甘えちゃうよ……



貴方「…私っ…いろんな人に迷惑かけてるっ……やっと…仲間、出来たのにっ…嫌われたら…って……私、怖いの…」


言うと、カノは咳をしている私の背中を擦りながら、さらに強く抱き締めた。


カノ「…Aちゃんはね、迷惑なんてかけてないよ。…誰だって、風邪は引く。…それに、それが迷惑なのだとしたら…誰だって、お互いに迷惑かけてる。…一人で生きていける人なんて居ないんだからさ…。絶対にAちゃんのこと、嫌いにならないよ？」


貴方「…っ…本当に…？…私のこと、嫌いにならないっ…？」


迷惑かけてばかりだから、いつかは見捨てられるんじゃないかって……


いつもビクビクしてた。


でも…


そんな私の問いかけに、


カノは、確かにこう言った。


カノ「…本当だよ…僕、Aちゃんのこと……大好きだよ…」


って……


『大好き』


その言葉は、魔法みたいに私の心から不安を取り除いてくれた。


貴方「…私もっ…カノのこと…大好きっ…((ﾆｺｯ」


今日は素直になれた気がする。


カノ「…あ、ありがとう…////」


カノ、顔が真っ赤…


風邪、移しちゃったかな…


カノ「さ、Aちゃんはもう寝な？…僕も隣で寝てあげるからさ！w」


まぁ…カノなら大丈夫か！


貴方「…うん！」



私達は、肩を揃えて朝までぐっすりと眠りについた。


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