初恋の君が知っている ~*探偵チームKZ事件ノート~*

4-B ページ12

・ 彩 side



「以上。」



話し終えたレイは、
私の持っているノートに目を向けた。



「へぇ、彩が書記ね。
和臣がなんちゃってリーダーなわけ？」



反応は、3つに分かれた。

若武は、怒りで真っ赤に、
黒木くんと上杉くんは、顔を見合わせて笑い、
私と小塚くんが、オロオロする、って感じ。



「やっぱ、すげぇよ、レイ。
若武に対して、それは尊敬だ。」



上杉くんは笑いながら、若武の肩を小突く。



「おま…「ちょっと聞くよ。そのメッセージ、今持ってる？」



　若武を遮って、黒木くんは言った。

　その言葉に、若武がハッと我に返る。



「ん、あるよ。英語だから、これが訳。」



　レイは、紙を二枚取り出し、机の上に置いた。



「Hello！My name is Yuriko Ryokyu.
Please cell me Yuri. I'm from Kyoto.(以下略)

…ユリコ リョウキュウって、誰。」


「上杉先生、誰か分からないのが、
メッセージボトルというものさ。」



　黒木くんは、その目に上杉くんを映した後、
　レイに向かって、目を細めた。



「この子、知ってるんだね、レイ？」



　フッと不敵な笑みを浮かべて、レイは答えた。



「ええ。

涼丘 百合子。京都の金持ちよ。

今の主人は、百合子の父で、
母と弟の４人暮らし。

ユリは、輝ノ宮小時代のクラスメート。


貴和って、人の観察、出来るよね。」



まあ、対人関係のエキスパートですから。


あれ、小塚くん、さっきから発言してないよね？



「小塚くん、どうしたの？」


「ああ、なんでもないよ。」



お礼を言うときみたいに、小塚くんは微笑んだ。



「和典、何か言いたそうね。

超論理的質問、聞かせてよ。」



　レイは、軽く笑い、上杉くんを挑発的に見る。



「3つある。
1つは、場所の特定。
2つは、ユリの人柄。
3つは、当時の周りの様子。以上。」



うん。まとまってて、分かりやすかった。



「とりあえず、解散な。レイ、送るよ。」


「いい。遠慮しておく。」



若武に首をふり、
音もなく、レイは滑るように部屋を出る。



「今日の特クラで。」



そう言い残して。

レイから、微かにローズの匂いした。
　




〜＊＊＊〜＊＊＊〜＊＊＊〜

英文訂正しました。

ご指摘ありがとうございます。

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