Episode130 ページ43
Aは先程から、鈴木のパソコンにハッキングを仕掛け、彼女の名義で数人の政治家に連絡を入れていた。
考えた計画は、鈴木と有島を対立させること。
鈴木から悪行を働く政治家たちに接触を謀り、有島を嵌めようとした、という証拠を作り上げる。
明日のパーティーで鈴木に化けたAがコソコソと動いているところを有島に目撃させるという作戦だ。
そのため、一時的に本物の木村をAの代わりに忍ばせる必要がある。
木村は異能力で操作する。
一度命令を脳に刷り込んでしまえば、それは本人の意思となるため、Aがもう一度解除しない限り、明日の夜まで効果は消えない。
最後の一通を送り終えると、Aはパソコンの電源を落とした。
「お疲れ。」
中也が缶珈琲をくれた。
「ありがとうございます。」
疲れた頭が冴える。
最近は紅茶ばかり飲んでいたため、いつもより苦く感じる。
「久しぶりですね。」
予定より早く終わったため、少し時間にゆとりがある。
中也と向かい合って座るのも久々だ。
見つめる蒼い瞳は、Aにチャーリーを思い起こさせる。
「最近どうだ？その、悩みとか……。」
「悩み、ですか……。でも、どうしようもない事ですし。」
生きる意味がない、だなんて、太宰ならまだしも、中也には言えない。
Aが無理に笑って誤魔化すと、中也はどこか悲しそうな、寂しそうな顔をする。
「俺には言えねぇのか……？」
真っ直ぐ自分を射抜く瞳に、鼓動が乱れる。
中也さんを見てると、落ち着かなくなる。
きっとその海のように深い蒼に、チャーリーを見てしまうから。
直視できずに目を逸らすと、中也は苛立ちを滲ませた声で予想とは違うことを口にした。
「セクハラとかあるんじゃねぇのかよ。」
「あ、そっちですか。」
太宰からでも聞いたのだろう。
Aにしてみれば酒の肴にでもと思って冗談半分で話した事だ。
「あ？他にも何かあんのか？」
問い詰めるような中也の視線から逃れるように珈琲を飲みほし、わざとらしく時計を確認する。
「あー私そろそろ行かないと。」
「おい、逃げんな。」
中也がAの手を掴み、引き止めたところで木村の電話が鳴った。
画面には有島からのメッセージ。
本当に戻らなければいけないようだ。
どうにか逃げようとするが、中也の手が離れない。
仕方ないので書類の山を崩し、慌てている隙に急いで部屋を出る。
廊下に響く中也の声に申し訳なさを感じながらも、どうしようもなかった。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (
レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです；；更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません！！ (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか？ (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです！ 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作成日時：2020年4月8日 17時
