Episode131 ページ44
パーティーが始まるまで半時間。
Aは鈴木の姿で、パーティー会場に身を潜めていた。
事務所のデータベースにエラーが発動するよう仕掛けた為、鈴木自身はパーティーには来ない。
接触を図った政治家は全てポートマフィア関係者。
有島の鈴木に対する不審感を煽るには最適だ。
会場に有島と木村が到着したことを確認し、中へ戻る。
既に必要以上、有島の知り合いにも挨拶をしているため、有島が声をかければ、鈴木の名前が出るだろう。
「おお、鈴木君、久しぶりじゃないか。昨日のメールの件、本当かね?」
声をかけてきたのは、ポートマフィアの後ろ盾で政治家に成り上がった男。
「お久しぶりです。もちろん本当ですわ。いい加減有島先生にはうんざりしてるんです。私も自分の身が一番ですから。」
二週間で有島がマフィアを欺いている証拠は取れた。
後はどこにそれを横流ししているかだ。
「確かに最近は妙な異国人も流れてきているようだしね。身を守るなら、私はポートマフィアにつくべきだと思うよ。」
『妙な異国人』新しい情報だ。
「いけない、先生が。私のことは内緒ですよ?」
有島に姿を目撃させるのは十分に情報を得てからだ。
お願いしますね、とわざと艶っぽい笑みでその場を去る。
次に向かったのは、この世界でも長いらしい、年老いた政治家。
裏社会との繋がりも長く、有島にはあまり良い顔をしない老人だ。
「ご無沙汰しております先生、有島の秘書の鈴木と申します。」
にこやかに話しかけると、訝しげに一瞥を投げられる。
闇の組織との絶妙な関係性を保って生きてきた男だ。
有島の秘書など、関わりたくもないのだろう。
「昨日のメールは読んで頂けましたでしょうか?」
「有島の餓鬼の差し金など受け合うものか。」
なかなか手強そうだ。
「私、有島の秘書を辞めようかと思っていまして。ポートマフィアに逆らうより、共生して安全に暮らしたいのです。」
老人の疑念は消えない。
鈴木家と有島家の関係は一代限りのものではない。
裏切るなど、簡単なことではなく、不審に思われるのも当然だ。
「貴様らがポートマフィアの活動を阻害するのは、政府との取引で島崎の一件を揉み消すためだろう。政府との取引も無かったことにして安全に暮らすだと?」
やはり根の深い人物は様々なことを知っているようだ。
しかし、政府が絡んでいるとは。
島崎とは誰だろうか。
Aが口を開こうとすると、背後から有島の声がした。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時