孤児院を経営してます【歌い手】Part2

第41話 ※会話文多め ページ2

〜そらるside〜


そ「ねえお兄ちゃん、起きてよ、なんでずっと寝たままなの？」

『…そらるくん』

そ「お兄ちゃん！」

『ごめんねそらるくん、また俺は、ツクリモノなんだ』

そ「ツクリモノ…？」

『うん…今の俺、ここでずっと寝てる俺はね、もしかしたら起きないかもしれない』

そ「どういうこと？ねえ、お兄ちゃん死んじゃうの！？」

『落ち着いてそらるくん、まだ可能性の話だから、起きてくれることだってあるかもしれない』


嫌だ

そんなの嫌だ

お兄ちゃんが死ぬなんて

死んじゃうなんて

耐えられない


そ「やだ…やだよ…お兄ちゃん…」

『泣かないで？まだ俺を助ける方法があるんだ』

そ「何をすれば…助けることが、できるっ…の…？」

『…そらるくんも俺と同じ、夢の世界に来てほしい』

そ「僕が？夢の世界、に…？」

『そう、家で寝てもいいし、ここで寝てもいい、俺が連れてくから』

そ「お兄ちゃんの横で寝る」

『ありがとう、でも先生たちに心配はさせたくないでしょ？置き手紙でも書いておこう？」

そ「うん、書く、字を書くのは下手くそだけど…」

『大丈夫、先生たちなら読めるから』

そ「がんばって書く…」


そこにあったメモ帳をちぎって置き手紙を書く

自分でもわかるくらい字が汚い

本当に読んでくれるかわからない


そ「うう…書けない…」

『ほら、取り敢えず書きたいこと書いてみて？』

そ「……できた」

『うん、よくできました、あとはそらるよりって書いておこうね』

そ「どうして？」

『だって書いておかないと先生たち、誰が書いたかわからないから』

そ「そっか、わかった」

『さあ、魔法の時間だよ、今からこの置き手紙が誰でも簡単に読めるようになるよ』

そ「本当？先生たち読んでくれる？」

『うん、もちろん……はい！』

そ「きれいな文字になった…」

『これで安心だね』

そ「だからそらるよりって書いたの？」

『まあそれもあるかな、ほら、もう雑談は終わり、そろそろ寝よっか』

そ「うん、わかった、おやすみ、お兄ちゃん」

『おやすみ、そらるくん、寝るまでトントンしてあげるよ』

そ「ううん、一人で寝れる」

『そっか、じゃあ、夢の中でまた会おうね』

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