人魚の訪問 ページ37
オクタヴィネルの人魚たちに連れられ
再び、真夏のような気温のスカラビア寮に戻ってきた。
あぁ、表情を保たないと。
余計な心配をかけないように。
アズール「こんにちは。お邪魔します。」
フロイド「うわぁ…あっつ。マジで真夏じゃん。」
「!?き、昨日俺たちをボコボコにしたオクタヴィネルの奴ら!?」
アズール「あぁ、皆さん。昨晩は失礼しました。
皆さんがか弱い動物を、一方的に虐めているように見えたものですから
思わず庇ってしまったのですが
話を聞いてみると、どうやら非があったのはオンボロ寮のお二人だったとのことで。
間違いに気づいた僕は、責任を取って
この2人が盗んだ魔法の絨毯をお届けに参った次第です。」
相変わらずよく回る口だ。
警戒心むき出しだったスカラビア寮生が萎縮してしまっている。
さて、後はあのジャミル先輩をかわせるかどうかだけど。
ジャミル「おいお前たち、そろそろ朝の特訓の時間だぞ。
遅れるとまたカリムに……ッ!?」
アズール「おやおやジャミルさん。お邪魔しています。」
ジャミル「お前たち…どうしてここに…」
『この3人は、この時期帰省が困難な地域に住んでいるらしくて
このホリデー中は、学園に残っているそうです。』
ジャミル「そ、そうなのか…」
…昨日逃げた件については、特に怒っている様子はない。
一つ、今朝ジェイド先輩に魔法をかけられて
既視感を覚えたことがある。
それは、ジャミル先輩に問いかけられた時。
僕の意思に反した言葉を口にしてしまったあの二回。
それと、同じ感覚があった。
考えていたことだけど、考えたくなかった思考。
それを前提にしてみれば
僕らのように救いになるかもしれないオクタヴィネルの3人を
酷く、迷惑そうに感じているように思えた。
フロイド「小エビちゃん、何か面白いこと考えてる?」
『面白くも何ともありませんよ。こんな推理。
絶対、外れてほしいと思ったのは初めてです。』
ジェイド「貴方は頭のいい子ですからね。そうはいかないかもしれませんよ。」
『…因みにですけど、ジェイド先輩が僕に使った魔法。
あれ、何なんですか。』
これの答えによっては、嫌な憶測はほぼ確信に変わる。
このニヤニヤしたウツボが答えてくれる気もしないけど。
ジェイド「内緒です。さ、アズールが寮内に入っていってしまいましたし
僕たちも行きますよ。」
『でしょうね。わかってましたよ。』
答えは諦め、いつの間にかジャミル先輩を潜りぬけ
寮内に入っていったアーシェングロット先輩を追いかけた。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2021年8月1日 22時