不服な帰還 ページ36
ジェイド先輩に物申そうと
VIPルームを飛び出した僕を待ち受けていたのは
完全にどこかに行く気満々で準備を終えた
オクタヴィネルの3人だった。
『え…っと…何、してるんですか。』
アズール「おはようございます、Aさん。
起きて早速ですが、スカラビア寮に向かいますよ。」
『な、なんで…折角逃げられたのに…』
アズール「…本当に、憔悴しきっているんですね。
グリムさんから、現在のスカラビア寮の現状はある程度聞きました。
副寮長であるジャミルさんが、カリムさんからの圧政に困り果てているとか。」
あぁ、そういえばそんなことになっていたっけ。
段々興味が薄れていっていたから、忘れかけていたけど
カリム先輩の豹変ぶりからして、その説明で何ら問題はない…はず。
なのに、この不安感は何だ。
スカラビアに戻りたくない、というだけじゃない気がする。
アズール「ジャミルさんは僕のクラスメイトでしてねぇ。
クラスメイトの大事となれば、慈悲深い僕が放っておけるわけないじゃないですか。」
『どの口が…ん"ん"ッ……
わかりました。魔法の絨毯も返さなきゃいけませんし…僕も行きます。』
アズール「もちろんそのつもりです。」
フロイド「小エビちゃん、元気になった〜?
またぎゅ〜ってして撫でてあげよっか。」
『今日も機嫌がよろしいようで何よりです。
昨日はありがとうございました。
…少し、楽になりました。』
フロイド「そっかぁ、よかったねぇ小エビちゃん。」
ジェイド「フロイドはAさんが大変お気に入りのようですね。」
『面白がられている気しかしませんけどね。』
フロイド「うん。小エビちゃんめっちゃ面白ーい。」
僕の頭に顎を乗せて、心底楽しそうにそう言った。
玩具だ。完全に。
だけど、スカラビアにいるより安心するのは
ここでは、僕の意思が少しは尊重されるから…なのかな。
アズール「雑談はそこまでにして。
早くスカラビア寮に向かいましょう。
さぁ、行きますよ。」
『…大丈夫。今度は、大丈夫。』
ジェイド「Aさん。そんなに気負わないで。
アズールが何の考えもなしに行動することはありません。
彼も、先日は貴方に助けられた身。
きっと貴方の力になってくれますから。」
『…あのアーシェングロット先輩が…?』
ジェイド「えぇ、あのアズールが珍しく。
まぁ、貴方を利用して自分の利益を追求していないとは言いませんけどね。」
アズール「そこ、聞こえてますよ。」
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2021年8月1日 22時