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面白い本音 ページ35

Jade side


生気が抜けたような眼をして

僕の質問に、いやそれ以上の答えを喋り続ける少女。

あぁ、予想外だ。


『ずっと、お兄ちゃんが羨ましかった。

そんなお兄ちゃんが、私に優しくするのが憎かった。

でも、それでも…家族だった。

あの日、までは。』


ジェイド「あの日?」


『…私、が…お兄ちゃんに怪我をさせた日。』


彼女が、家族絡みの事で食堂で大騒ぎを起こしたことは知っている。

だけど、ここまで彼女の心を蝕んでいる問題だとは思わなかった。

僕の魔法が効きすぎている。

それだけ、心が弱っている証拠。


『宝物を壊した私を、お父さんは家族だとは思わなくなった。

私はあの日、家族も何もかも失って

_独りに、なった。』


ジェイド「…それで、ですか。」


『…辛くて、寂しくて、寒くて、哀しくて

孤独に慣れてきても、どこか…ずっと恐れていた。


ここに来て、エースたちが傍にいてくれて

また、独りになるのが怖くなった。

誰かが傍にいて、誰かが寄り添ってくれる暖かさが

大好きなんだって、思い出しちゃった。


だから、私から離れていってほしくなくて

なんでもするから、いくらでも助けるから

死んでも、守るから

一緒に、いてほしい。

嫌いに、ならないで。独りに、しないで…』


最後まで聞かせてもらえると思ったが

これ以上は彼女の精神が持たなかったのか

僕に体重を預けて、一瞬気絶してしまった。

なるほど、これは面白い本音が聞けましたね。


『…あれ、僕…何を……ジェイド先輩…?』


ジェイド「ありがとうございました。面白い本音が聞けました。」


『え…な、何したんですか…!?』


ジェイド「いえいえ、特には何も。

それでは僕は、準備がありますのでこれで失礼しますね。」


唖然としたAさんの乱れた髪を軽く直し

会釈をして、Aさんから離れて部屋の入口に向かった。

あぁ、そうだ。1つ訂正しておかなければ。


ジェイド「貴方を嫌いだと言ったこと、訂正しておきますね。」


『へ…あぁ、はい…』


VIPルームから出て、扉を閉めると

彼女の混乱の声が聞こえてくる。


あぁ、なんて面白い。

他人本位が過ぎるように見えて

その本質は、自分本位の塊。

アズールとはまた違うタイプの、尽くす人物だ。

こんなに興味深い人物を、何故今まで気にしていなかったのでしょう。


フロイド「あれぇ〜ジェイド、小エビちゃんは?」


ジェイド「少々悪戯をしてしまいまして

もう少ししたら来ると思いますよ。」


フロイド「へぇ…悪戯、ね。」


さて、これからどう接したものですかねぇ。

不服な帰還→←止めどない言葉



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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年8月1日 22時

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