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救済の魔法 ページ25

数時間後。

やはり今日もオアシスに行進するということで

昨日と同じルートを歩かされ

干からびた東のオアシスにやってきていた。

正直体は怠いが、それは他の人たちも変わらない。

ジャミル先輩の気遣いのお蔭でなんとか精神を保っている人もいる。

…いっそ、爆発すればいいのに。


グリム「ぜぇ…はぁ…喉がカラカラなんだゾ。

カリム、水を出してくれ〜」


カリム「この俺に水を出せ、だと…?

お前、誰に向かって口をきいている!」


グリム「ひぇッ!?」


カリム「俺はお前らの水道じゃないし

水が欲しければ、オアシスから汲んでくるがいい。」


「…この干上がったオアシスから、水を汲めだって?」


「流石に横暴が過ぎるだろ…」


「寮長はどうしてしまったんだ…」


ジャミル「大丈夫だ。

こんなこともあろうかと、ラクダに水を積んできてある。

荷物を下ろして水を分け合え。」


ジャミル先輩は、本当に優秀な従者なのだろう。

主人の不可解な行動にも、適宜対応している。

寮生の中には、ジャミル先輩が寮長だったら…なんて

たらればをこぼすものも少なくない。

不和が、広がりすぎてしまう。


『…仕方ないか。

皆さん、水なら僕が出します。その水分は、帰りの分に少し残したほうがいい。』


ジャミル「な…そんなことができるのか?」


「確かにそれはありがたいけど…」


「お前、魔法そんなに得意じゃないだろ…?」


『えぇ、僕はカリム先輩みたいな魔法は使えませんよ。

だから、奪ってやろうと思って。


カリム先輩、少し良いですか。』


カリム「何だ。水なら出さないぞ。」


『わかってます。だから…

貴方の力、少し貸してください。』


カリム先輩の手を取り、一応目も合わせて

魔法の呪文を放った。


『偶像の崇拝者』(ライ・トゥ・ウァールシィパァル)。』


カリム先輩、貴方のユニーク魔法

僕に頂戴。

と、いつも通り確かに魔法を奪うことは出来た…が。


『いッ…』


カリム「うぁ…ッ…!?」


ジャミル「カリム!?」


カリム先輩と合わせていた眼に、静かに走った激痛。

まるで、何かが僕の魔法を弾こうとしたみたいに。

カリム先輩が警戒していた…?

でも、手に触れさせて魔法で弾くくらいなら

最初から近づけなければいい話で…


『…何か、おかしい。けど、今は…

行きますよ、皆さん。

『熱砂の憩い、終わらぬ宴。歌え、踊れ!』

枯れない恵み(オアシス・メイカー)』。』


枯れた砂漠に

恵みの水が降り注いだ。

少しは、不満を晴らせたと良いけど。

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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年8月1日 22時

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