魔法の絨毯 ページ13
カリム先輩に連れられ、歩き続け
辿り着いたのは、寮内にあるという物置のうちの一つだった。
いや、物置という表現は少々合わないかもしれない。
グリム「どひゃー!何だここ!?
ギラギラのお宝が一杯なんだゾ!」
目も眩むほど輝く、大量の金貨や
金でできた豪華絢爛な装飾品。
普通じゃ考えられないほどの大きさの宝石。
ここは物置とは言えない。宝物庫だ。
カリム「ここにあるものは全部、家を出る時に
とーちゃんが持たせてくれたんだ。
でも、寮の部屋に入りきらなくてなぁ…
こうして、物置に全部置かせてもらってんだ。」
『物置…というかもはや宝物庫ですけど…凄いですね。』
カリム「好きなだけ見ていいぜ、A。
で、このお宝の山の中でも俺が一番気に入ってるのが…
………あれ、どこ行った…?」
部屋の中の宝を、手当たり次第にかき分け
何かを探し始めたカリム先輩。
探し終わるまで少しだけ物置の中を歩いていると
何者かに腕を引かれた。
何者か、なんて
この状況でそんなことしそうなの、グリムしかいないけど。
『何、グリム…何かあるなら普通に声かけて…』
「_♪」
『…え。』
グリムかと思って、引かれている腕に視線を向けると
そこにグリムなど居らず
僕の腕には、一枚の絨毯が巻きついていた。
自分で言っていて意味が分からない。
『じゅ、絨毯が…ひとりでに…』
カリム「お、そこにいたのか。
いつもの場所で丸まっててくれよ。」
「_♪_♪」
カリム「凄いなA。コイツがすぐに気にいるなんて。」
グリム「ふなっ!?Aが絨毯に絡まれてるんだゾ!?」
『感心するのと驚くのは後にしてください。』
カリム先輩が、僕の腕に巻きつく絨毯をはがしてくれた。
魔法が浸透した世界では普通なのかもしれないが
あれに驚かない人はそうそういないだろう。
カリム「これは熱砂の国に伝わる伝説のお宝
"魔法の絨毯"だ!
かつて砂漠の魔術師が使えた王が愛した空飛ぶ絨毯。
コイツは、そのレプリカらしい。
うちに代々伝わる家宝なんだ。」
グリム「空飛ぶって…箒みたいに絨毯が空を飛ぶって?」
カリム「そう、話すより乗ってみた方が早い。
もうすぐ日暮れだし、夜空の散歩と洒落こもうぜ!
さぁ、お前たちも乗った乗った!」
『え、ちょ…っと…!』
カリム先輩に手を引かれ
無理矢理絨毯の上に乗せられる。
全員が乗っても落ちなかったけど…これは…
『……ッ…』
カリム「そんなに怯えるな。大丈夫。俺を信じろ。」
少しだけ、怖いかもしれない。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2021年8月1日 22時