大富豪の家 ページ12
あの後、寮生に勉強させておいて
寮長が何もしないのは示しがつかないということで
少しの間魔法の訓練を行い
それからすぐ、アルアジーム先輩に連れられて
スカラビア寮内を歩き始めた。
グリム「ほぁ〜この寮、どこ見ても金ピカで豪華で
オンボロ寮とは大違いなんだゾ。」
『他の寮とも、規模が違うというか…まるで宮殿みたいですね。』
カリム「そんなに驚くほどか?
確かに俺が入学したとき、とーちゃんが学園に少し寄付して
寮を綺麗に改装させたって言ってたけど…」
やっと納得がいった。
この寮の豪勢なつくりは、アルアジーム先輩の家の財力の成すものだったのか。
レオナ先輩も大概だけど、富豪っていうのは金銭感覚が死んでるとしか思えない。
グリム「どんだけ大金持ちなんだゾ…!?
お前、もしかしてレオナと同じ王子様か!?」
カリム「アジーム家は王族じゃないから、俺は王子じゃないぜ。
親戚筋には王族もいるけどな。」
『アジーム…家…?
アルアジーム先輩…じゃ、ないんですか。』
カリム「そんな堅い呼び方するなよ〜カリムで良いぜ。
熱砂の国の古い言葉で、"アル"は"息子"を意味する。
そんで、家を興した祖先の名前を家名にして…
以降生まれた男児は全員"その息子"って名乗ることがあるんだ。」
『つまり、アル…カリム先輩のご先祖様の名前がアジームで
アルが息子…だから…』
カリム「カリム・アルアジームは
"アジームさん家の息子、カリムくん"って意味になるな。」
国によって風習というのは大きく異なる。
僕の住んでいたところにそんなもの一切なかったし
エースたちにも聞いたことがなかったことだ。
名前、か。
自分の名前の意味なんて、考えたこともなかったな。
まぁ、どうでもいいけどさ。
『……』
カリム「……A、いつか熱砂の国の俺んちにも遊びに来いよ!
めいっぱいもてなすぜ。もちろん、グリムもな。」
『…あ、はい。楽しみにしてますね。』
カリム「おう!」
そのままスカラビア寮内を歩き続けた。
その間に、もう少しカリム先輩の家の事を聞いたのだけど
召使いの人数とか、兄妹の人数とか
それこそ、言葉の通り桁違いだった。
カリム「ジャミルの両親も俺んちの召使いで。
だから、ジャミルにも小さい頃からずっと
俺の世話係をしてもらってる。」
『あぁ…だから、食事を…』
カリム「ジャミルはスゲー奴なんだ。
頭もいいし、気も利くし、何より料理が上手い!」
主人も認める優秀さ。
ジャミル先輩という人間は、底が知れない人だな。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2021年8月1日 22時