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綺麗な女の人。



その言葉を聞いて頭に浮かんだのは、" 和奏さん "だった。



まだ1度も会ったことの無い、征十郎にとって、そして千尋にとっての大切な人…



「ああ〜千尋くん彼女いたのかあ。
ショックだな…。
まあ、でも女の私から見ても彼女さん綺麗なんだもん、美男美女すぎて納得せざるを得ないってあれは!!!あー悔しい!!」

「そんなに?」

「うん!色白で黒髪で身長高くて!可愛いより大人!って感じの人だったんだけど、微笑んだ顔が本当に可愛くて!!」

「あんたが言うんだから相当可愛いんだろうね」

「そうなの!!
しかも千尋くんさ、彼女の腰を支えながら歩いてたんだよ!あの千尋くんが!!!
あれだよね、普段は冷たい千尋くんでも彼女に対しては優しくなっちゃうだよ!あーいいなあ!!!」

「へえー」



…そっか。




千尋、上手くいったんだね。



『和奏ってさ、黛さんの元カノなんだよ。』


『和奏と別れてからは、俺でも分かるくらい未練たらったらだったからな〜黛さん。
でもこれで大丈夫だね、きっと。』



葉山先輩が言ってた事は間違ってなんかなかった。



全部、本当の事だったんだ。



「…A?」

「え、A?!」



突然、目の前のふたりが血相を変えて私を見つめてきた。



「…なに?」

「なに?じゃないよ!どうしたの?!」

「なにが?」

「何で泣いてるの!?」

「……え?」



頬へ手を伸ばせば、そこはもうぬれていて。


小百合の言葉で初めて今自分が泣いている事に気がついた。



拭っても拭っても、涙は止まる事を知らない。




…なんで?



今は、泣いてる暇なんてないのに。



泣きなくなんてないのに…なんで私泣いてんの。



「ちょ、A!大丈夫?!」

「ご、ごめ…っ!何か勝手に…」

「え〜!もぉどうしちゃったの〜?」

「大丈夫…なんか、目にゴミ入ったかもっ!」



言う前に、聞けてよかった。



…大丈夫、もう忘れられる。



私は口角を上げて笑った。



「…なにそれ。」



その時、今まで黙っていた飛鳥が呟くようにそう囁き、涙を拭う私の手を取った。





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のぞみ(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!更新頑張ってください!待ってます! (2021年6月26日 16時) (レス) id: 80032df402 (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - はじめまして!とっても読み応えがありました…!良いストーリー過ぎて泣いてしまいました←更新楽しみにしています!陰ながら応援しています、これからも頑張って下さい(*´∀`*) (2020年4月19日 16時) (レス) id: f36637a5db (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - はじめまして。小説とても面白くて一気読みしました。ここまでのめり込んだのは本当に久しぶりで、気がついたら泣いている自分がいました…笑続編楽しみにしてます。大変だとは思いますが、無理せず更新頑張ってください! (2019年2月10日 22時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - 羅夢さんお久しぶりです!続編おめでとうございます!!無理せず更新頑張ってください。羅夢さんの黛さん、楽しみにしています! (2019年1月15日 8時) (レス) id: 329a406db9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羅夢 | 作成日時:2019年1月14日 23時

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