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「ごめん、てっきり先行ったと思っちゃって…」
「色々見入ってた」
千尋の視線の先には、ホオジロザメやノコギリザメのプレートがある。
そっか…それ読んでただけなのか。
千尋が気づいてくれて良かった。
危うく本当にはぐれるところだったし…
「まだ時間あるし、上の階見に行くか？」
「そうだね…。えっと、あ…この奥に上に繋がるエスカレーターあるんだって。それ乗ってこ」
「ああ」
歩き出す千尋を横目に鞄にパンフレットを入れようと足を止めていれば、「ん、」と前から手を差し出された。
「……？」
「手。」
「……は？」
「はぐれられたら、迷惑だから。」
「……」
はぐれないように繋ぐ、手。
ゆっくりとその手に自分のを合わせれば、そこから感じたのは千尋の温かい体温だった。
「…行くぞ。」
「……うん。」
今日の千尋はどことなく、優しい雰囲気が漂っている気がする。
いつもの千尋なら、手を繋ぐもおろか私を置いてスタスタ歩いて行くのに。
……傍から見れば私達、カップルに見えるのかな。
千尋の彼女に、思われてるのかな。
下を見れば解けないようにしっかり握られてる手が確かにあって。
何故だか初々しい想いが込み上げてきて、胸を熱くして行った。
「うわあ…何、これ……」
見えて早々感動してしまった私は半ば強引に千尋の腕を引っ張りエスカレーターへ飛び乗った。
目の前に広がる、青、青。
…アクアチューブ。
水槽の中を通るエスカレーター。
180°ぐるりと見渡す事が出来る、数分間の海の世界だ。
イワシの大群が泳ぎ回り、その鱗が光を反射しキラキラと光り輝いている。
まるで、水中銀河のよう。
「やばい…これは綺麗すぎる」
「…お前今何歳だっけ？」
「こんなの年齢関係なく感動しちゃうでしょ…」
1人ひたすら騒ぎまくっている私とは裏腹、後から聞こえる声は相変わらず落ち着いている。
子供みたいにはしゃいでるのは自分でも分かっている。
何なら、私の前にいる小学生位の男の子の方が大人だ。
ただ静かに見上げているんだもん。
それでも騒がずにはいられない。
水族館なんてきっと十数年ぶりだし、こんなに綺麗なものだとは思ってなかったんだから。
「ねえねえ千尋！！！あれ見て！」
「…どれ？」
「あれ！あそこ！」
「……どれだよ」
「だから！あそこの大きいエイだ……っ」
後ろを振り返れば、至近距離に千尋の顔があった。
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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (
レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます！夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます！！長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして！読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります！あがとうございます！！ (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅夢 | 作成日時：2017年11月5日 14時
