水の世界、紺碧に染まるその瞳 ページ25
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「あ、2時からイルカショーある！これテレビでやってたやつだ。…ねぇ千尋、これ観ようよ！」
「…存分に濡れて来たら？」
「それ目的違う！」
入口付近で予定を確認して中へ入れば結構な人集りだ。
休日あってか周りは家族連れやカップルばかり。
もう次期冬が近づいているこの季節の水族館はどこか冷たい空気を孕んでいる気がする。
けれどもそんなの忘れるくらい、目の前に広がる紺碧の色彩に感動してしまった。
静かな空間を泳ぐ魚は、私の視線を簡単に奪っては優雅に踊っている。
ついつい何度も足が止まり中々奥へは進めない私に千尋は怒ることもなく、私が水槽を覗き込む度に足を止めて待っていてくれた。
「うわ、ここ全部クラゲじゃん…！」
「…おびただしい」
「でもこれ一つ一つ種類違うんだね」
「違いが分からん…」
なんて会話を交わしながら、2人で一つの水槽を覗き込む。
ジェリーフィッシュランブル。
あちこちに並ぶ様々な水槽の中に多数のクラゲが漂う音と光の織り成す癒しの空間。
まるでここは「日常」から「非日常」の世界へ誘い込まれたみたいに神秘的な雰囲気が漂っている。
「…クラゲって数億年前から姿かたちが変化してないらしい。」
「え、そうなの？よく知ってるんだね」
「いや、プレートに書いてある」
「褒めの言葉返せ！」
奥に進むと次に出てきたのはリトルパラダイスという所。
どうやらここはサメがメインらしく、私の目の前を泳いでいる姿は迫力満点だ。
魚も泳いでいて更にリアリティがある。
「…でかいな。」
「というより、何か怖くない？
…ほらあれとか今にも襲ってきそう」
「……やっぱりホオジロザメが一番かっこいい」
「……」
隣にいる千尋は僅かにはしゃいでる感じがする。
やっぱり男の子っていうのはこういうかっこいい生物が好きなのかな。
不意に見上げた先にある千尋の横顔は、どこか喜色に溢れている気がした。
…わ〜、あの魚綺麗な青色してる。
あ、あっちの魚小さくて可愛い！！！
と、何やかんや私もここの水槽を楽しんでしまいふと我に返り横を向けば、千尋がいなくなっていた。
「…あ、あれ？」
周辺を見渡してもそれらしき人物がいない。
嘘…はぐれた？
流石に長居しすぎて先に行っちゃったのかも…
早く、上の階に……
「おい」
「…！」
「ここにいる」
後からグイッと引かれると共に耳に入った声に、ホットした。
良かった、千尋だ。
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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (
レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます！夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます！！長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして！読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります！あがとうございます！！ (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅夢 | 作成日時：2017年11月5日 14時
