《 2 》 ページ19
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もうすぐ日付が変わる時間だからか思っていた程人気がない。
辺りはしんとしていて、私と千尋の歩く音しか聞こえてこない気がする。
「…お前、有り得ないだろ」
「何が？」
「この季節にそれって可笑しすぎ」
それ、とは私が今食べているアイスの事だろう。
ゴリゴリくんのソーダ味。
夏とか冬とか関係なしに、アイスっていつでも食べたくなるものじゃない？
ソーダって言っても別に夏限定ってわけじゃないんだしさ。
と、そんな事を隣の千尋へ話しても「有り得ない。見てるこっちが寒い」なんて言いながら眉間にシワをぐっと寄せていて。
それに知らんぷりしながらアイスを口に含めばシャリッと心地の良い音が鳴る。
口腔内は既にひんやりしていて少し寒さを感じたけど、この感覚は別に嫌いじゃない。
するとさっきまで紫煙を漂わせていた千尋がこちらを見ている気配を感じた。
私は持っていたアイスを千尋へと向ける。
「…なに？」
「ん、いーよ」
「…は？」
「え、食べたいんじゃないの？」
「……」
だから見てるんだと思った…
なんせ人が食べてる物って美味しそうに感じるし、食べたいなと俄然思ってしまう…よね？
少なからず、自分がそういう人間だから千尋もそうなんだろうな、と勝手に思ったけど…そうでは無いらしい。
「…食べないなら別にいいけど」
そう言いながら出していた手を引っ込めれば、その手を千尋の大きい手が掴んだ。
突然の事に戸惑い、「な、何？」と言えば整った顔が近づいてくる。
シャリッ
…千尋って、こんな顔だったっけ。
普段は私より身長が高いせいか、あんまり分からなかったけどやっぱり思った以上に美形だ。
閉じられた瞼には、異性にしては長すぎる睫毛が街頭でキラキラ光ってるし、グレーアッシュの髪の毛なんて、触らなくても分かるほどサラサラしてて。
Vネックのカットソーから覗く、骨ばった鎖骨にこれ見よがしにある小さいホクロ。
…おかしい。
千尋って、こんなに色っぽかった？
「…ご馳走さま。」
「…っ」
鼻と鼻がくっつきそうな、そんな距離。
頬に熱が集まるのを感じ、すぐさま距離を取りそのまま歩き出す。
「なに？顔赤いけど、風邪？」
「……そ、そうかも。
やっぱりこの季節にアイスは馬鹿だったね」
「…今更気づいたのか。風邪とか勘弁しろよ。」
「…っ」
そうだ、きっとアイスの所為だ。
千尋がかっこよかったからとか…そんなわけない。
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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (
レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます！夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます！！長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして！読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります！あがとうございます！！ (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅夢 | 作成日時：2017年11月5日 14時
