Episode.33 ページ10
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そして、気づけば夜8時。
いや・・・気づけばって言うか、緊張しすぎて何分毎に時計見てたのが本音なんだけどさ。
だって・・・ね?
あの赤司くんのお家だよ?
元々は恋人同士だったし、しかもあの日に色々あったし・・・要は訳ありじゃん。
お互いがまた復縁したいとか思ってなくても、何か妙に緊張する。
・・・ううん、めっちゃ緊張してる。
「・・・帰りたい」
「もう遅せぇよ」
現在大輝の車に乗車なうです。
助手席で音を上げている私を、前を見ながら運転している大輝が窘める。
「・・・行く気はあるんだけどさ、何かね。
ものすっごく緊張してるの、私。」
「何で赤司ん家行くだけなのに緊張すんの?」
「分からん・・・けど今、心臓バックバク」
「はは!んだそれ」
窓の外に映る見慣れない街並みがまた私に緊張を誘い出す。
お、あれか。と少し屈んでフロントガラスを見つめる大輝のその視線を追いかける。
・・・は?
「え、あ、あれなの?あのマンション?!!」
「だな」
「何かの間違いでしょ?!」
「なわけあるかよ。ナビが指してんのもあそこだし」
「いや、だって・・・」
あそこって、都内でも5本の指に入る高級マンションでしょ・・・?
いや、まじ?
だって、屈んでも全く最上階見えないんですけど・・・
「・・・流石は御曹司ってだけあるね」
「だなあ。ボンボンってずりぃのな」
・・・御曹司、か。
『・・・え?』
『・・・あれ?征ちゃんから聞いてなかったの?
卒業して直ぐにアメリカへ発つって。』
『それにしても急だよなあ〜〜
アメリカに何しに行くんだろ。観光かな?!』
『なわけないでしょ、小太郎。
きっとお父さん関連なんじゃないの?財閥が何とかって』
『へぇ〜。御曹司っていうのも大変なんだなあ』
・・・はあ、今から荷が重いなあ。
窓の外を見ながら、ううっ・・・と顔をしかめる私を窓越しに確認した大輝は、視線を前に向ける。
「・・・赤司が良いっつっても、最終決めたのはお前じゃねぇか」
「そう、だけど・・・いざそうなってみると、ね?」
「このままじゃ駄目だ。って、そう思ったんだろ?だったら頑張ってみろよ」
窓から運転している大輝へと目をやると、視線を感じたのか目が合った。
不安な気持ちが顔に出ていた私に、ふはっと笑いながら頭をグシャグシャと撫でてきた。
「俺も暇あれば顔だしてやるから」
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羅夢(プロフ) - yukakdonaldさん» そう言ってもらえると本当に嬉しくて心の支えになります^ ^ありがとうございます。 (2017年11月6日 20時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
yukakdonald(プロフ) - 続きがすごい気になります!更新待ってます! (2017年11月5日 13時) (レス) id: 9b227061d2 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - KANAさん» 嬉しいです!!!本当に力になりますありがとうございます(^^) (2017年8月17日 16時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
KANA - この作品 スゴく面白いです!これからも読ませていただきます!更新頑張ってください!! (2017年8月10日 18時) (レス) id: 3e35f2b141 (このIDを非表示/違反報告)
*。赤司 妃奈 。* - コメント読みました!私は、これからも、この作品を読むので続き頑張ってください!!応援してます^^ (2017年7月27日 14時) (レス) id: 97081c23e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羅夢 | 作成日時:2017年6月5日 22時