Episode.51 ページ28
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アレアレ、と細長く華麗な指が指した先には確かにダイニングテーブルに二人分の料理が並べられていて。
咄嗟にキッチンに立つ赤司くんに詰め寄った。
「ごっごめん!私、寝坊しちゃって…」
「ん?ああ、全然?今日は俺が作ろうと思ってたし。」
「え、そうなの?!」
「そうなの。」
楽しそうに笑ってる赤司くんの表情には、ハハハって効果音が似合いそう。
カップを持ち、キッチンから出ていく彼の後ろをそそくさと付いて行く。
「今日のは、結構フルーティーかもね。」
「コーヒー?」
「そう。今日は4つの豆を配合してみた。」
コト…と音を鳴らして置いたと同時に、私達はいつもと同じく向かい合わせに座った。
「って言っても、Aみたいな手の凝った料理は無理だったけど。」
「ううん、そんな事ないよ。」
思わず微笑んでしまった。
香ばしく焼けたトーストの上には、ベーコンと半熟の目玉焼き。
キャベツを中心に玉ねぎやトマトと栄養満点のサラダ。
デザートに、マスカット。
それに加えてコーヒーの、お洒落なワンプレート料理。
「…インスタ映え決定だね、これ。」
「それ褒めてるか?
というかAってインスタしてたっけ?」
「褒めてる、すっごく美味しそう!」
「そう?」
「頂きます!」と手を合わせ言うと、「どうぞ、召し上がれ。」って頬杖をつきながら笑ってる。
いつもと逆の会話に笑いが込み上げてくるのを抑え込み、トーストにかぶりついた。
「んんっ!美味しい!!」
「それは良かった。」
「私どちらかって言うと固茹での方が好きだったんだけど、半熟もいいね!捨て難い!」
「え、そうなの?俺、半熟のが好き。」
赤司くんは、クッと含み笑い。
近くに置いてあるカップに指を通して、コーヒーを飲んだ。
その姿さえ、赤司くんともなれば優雅な絵になる。
「ん、今日の結構甘いかも。」
「お砂糖入れたの?」
「ううん、入れてない。」
「え、じゃあ…」
「飲んでみてよ。
これなら苦くないし、Aも飲めるよきっと。」
「………」
ギクリと肩が揺れる。
視線をトーストから赤司くんに向ければ…見抜かれてますね、はい。
「苦手だったろ?コーヒー。」
「…よく覚えてます、ね。」
「そりゃあね?」と得意げに鼻で笑われた。
目でコーヒーを勧められて、トーストを置きカップを手に持ち、ゴクンッと喉に流し込んだ。
「…甘い。」
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羅夢(プロフ) - yukakdonaldさん» そう言ってもらえると本当に嬉しくて心の支えになります^ ^ありがとうございます。 (2017年11月6日 20時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
yukakdonald(プロフ) - 続きがすごい気になります!更新待ってます! (2017年11月5日 13時) (レス) id: 9b227061d2 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - KANAさん» 嬉しいです!!!本当に力になりますありがとうございます(^^) (2017年8月17日 16時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
KANA - この作品 スゴく面白いです!これからも読ませていただきます!更新頑張ってください!! (2017年8月10日 18時) (レス) id: 3e35f2b141 (このIDを非表示/違反報告)
*。赤司 妃奈 。* - コメント読みました!私は、これからも、この作品を読むので続き頑張ってください!!応援してます^^ (2017年7月27日 14時) (レス) id: 97081c23e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羅夢 | 作成日時:2017年6月5日 22時