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Episode.39 ページ16

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「…バ、バイト?」

「ああ、夜にバーでアルバイト。」

「……バーテン。」



驚く私とは裏腹に、彼は優雅に紅茶を啜っている。


いや、そりゃ驚くでしょ?



だって、



「…お金持ちのボンボンでも、バイトするんですか」

「へ?」



間抜けな声がそっちから聞こえた。



ごめんなさい、失礼を承知で聞いてます。

肌触りの良い黒のラグに正座している私を、彼は目を点にして見つめている。



すると、「ははは」と小さく笑った。



「金持ちのボンボンでも、バイトするんです。
俺が金持ってる訳じゃないからな」

「…成程、意外と偉い。」

「ん?「意外と」ってなに?」

「あ、や…言葉のあやです」

「へぇ?」



笑っているけど、その目は笑ってない。


彼お得意の、「黒い笑い」だ。


それに少し怯えて眉をひそめていると、「冗談だよ。そんな間に受けないで。」なんて言いながら、冷めるからと紅茶を勧めてくる。



テーブルに置かれたティーカップを持ち、口を付けた。

瞬間、目が見開いた。



「…美味しい」



本音がポロリと漏れる。

まろやかな口当たりと爽やかな渋み。
マスカットの様な甘くフルーティーな香りが鼻を抜けていった。



「だろう?
紅茶やコーヒーにはこだわる方だから、結構自信あったんだ。」

「こ、高価なんですか、これ。」

「ははっ、違うよ。
確かに俺が好きな店から取り寄せてはいるけど、
誰でも買える優しい値段だよ。」



って事は、彼の淹れ方が美味さをひきたてているのか。

お酒を割るのが本業でも、そういう融合の度合いとか仕事上分かってくるものなのかな。




久しぶりにこんな美味しい紅茶を飲んだ気がする。



美味しくて、思わず恍惚とした表情になりながらも飲む手を止められなかった。

そんな私を彼にソファーからじーっと見つめられる。



「な、なに」

「いや?すっごく美味しそうに飲んでくれてるから、淹れた甲斐があったなーって。」

「…美味しくて、つい。」

「その顔を見るのは飽きないな。
これから時間がある時は、一緒に飲もう?」

「……」



小さく笑っただけの筈なのに
何もかもが整い過ぎている赤司くんだから、めちゃくちゃ輝いてて眩しすぎる。


これに女の子は間違いなく落ちる。



…事実、私は落ちた。



中学生なのに、周りの男子と比べたら何もかもが大人びいていて子供っぽくなかった。




それは今でも変わってない。




……年の割に、見た目も行動も大人すぎる。



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羅夢(プロフ) - yukakdonaldさん» そう言ってもらえると本当に嬉しくて心の支えになります^ ^ありがとうございます。 (2017年11月6日 20時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
yukakdonald(プロフ) - 続きがすごい気になります!更新待ってます! (2017年11月5日 13時) (レス) id: 9b227061d2 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - KANAさん» 嬉しいです!!!本当に力になりますありがとうございます(^^) (2017年8月17日 16時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
KANA - この作品 スゴく面白いです!これからも読ませていただきます!更新頑張ってください!! (2017年8月10日 18時) (レス) id: 3e35f2b141 (このIDを非表示/違反報告)
*。赤司 妃奈 。* - コメント読みました!私は、これからも、この作品を読むので続き頑張ってください!!応援してます^^ (2017年7月27日 14時) (レス) id: 97081c23e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羅夢 | 作成日時:2017年6月5日 22時

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