Episode.24 ページ1
.
「＿え、今なんて？」
あれから日は過ぎて、２週間が経った。
あの日以来、赤司くんとは全くもって会わずじまいだった。
いや、会いたいとかじゃなくて、むしろ今会ったところで何も出来ないのが現状なんだけどさ。
「先生、バイバイ〜〜〜！！」
「こうきくんじゃあね！また明日！」
最後の託児を見送ってすぐに、エプロンのポケットにしまっていた携帯が小刻みに震えた。
出して、ふと気づく。
…この時間にくる電話って、まじでろくな事がないんだよな。
あの日だって、この時間帯にかかってきた和奏からの電話が始まりだったわけで。
そう思いながら、画面を見ると”大家さん”と文字が記されていた。
躊躇いながらも私は通話ボタンを押して、耳に当てた。
〈だからね？うちのアパートが全面リフォームになっちゃって、明後日から住めなくなるのよ〜〜〉
「あ、えっと、かなり急ですね…」
〈そう？前々から告知広告、出入口近くに貼ってあったのよ？？〉
いや、知らなかったよ〜〜〜？？？
貼ってあったの？え、何処に？出入り口付近？？
え、あったっけそんなの？？？
〈だからね、明後日までには荷物まとめて違う所に移ってもらいたいのよ。できる？〉
「皆さんはどうされたんですか？」
〈もうほとんどの住人は移動に入ってるわよ。
恋人の家へ住ませてもらったり、実家に帰ったり。
…Aちゃん、恋人いたかしら？〉
「い、いないです！！ごめんなさい！！！(泣)」
〈困ったわね〜。どうにかならない？〉
「そうですね…」
考えても、あの時と一緒で頼れる相手なんて限られてくる。
でも今日の電話は和奏の時のように、断る事なんて出来なくて、何としても受け入れなければいけない。
「とりあえず、探してみます。」
〈ありがとね〜〜〜！！助かるわ〜！
決まったら連絡貰えないかしら？〉
「分かりました。わざわざすみません。」
〈いいのよ〜じゃあよろしくね〜〜〜〉
プツッと通話が切れ、私は携帯を閉まった。
…で、だ。
……まじでどうする。
これは、生まれて初の目下最大の難問だわ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羅夢(プロフ) - yukakdonaldさん» そう言ってもらえると本当に嬉しくて心の支えになります^ ^ありがとうございます。 (2017年11月6日 20時) (
レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
yukakdonald(プロフ) - 続きがすごい気になります！更新待ってます！ (2017年11月5日 13時) (レス) id: 9b227061d2 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - KANAさん» 嬉しいです！！！本当に力になりますありがとうございます(^^) (2017年8月17日 16時) (レス) id: da06b6f43d (このIDを非表示/違反報告)
KANA - この作品 スゴく面白いです！これからも読ませていただきます！更新頑張ってください！！ (2017年8月10日 18時) (レス) id: 3e35f2b141 (このIDを非表示/違反報告)
*。赤司 妃奈 。* - コメント読みました！私は、これからも、この作品を読むので続き頑張ってください！！応援してます^^ (2017年7月27日 14時) (レス) id: 97081c23e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羅夢 | 作成日時：2017年6月5日 22時
