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017..わすれていたそとでは/天月side ページ18

「も〜本当にこっち来たの〜?」

「本当だって!!疑うの!?」

「うん。正直のところ。」

「・・・´・ω・`」


しゃむひど〜い←

本当だってのに・・


しかし、確かに見当たる気配がない。

あんな人混みから抜けるのには時間がかかったはずだ。

ここまで来る途中、ライブ帰りと見える人たちがたくさん通っていたし、
ものすごい速さで走る超人でないと、全く見失うのは無理だ。


そう思いながら、速足で駅への道路をたどる。


「だっていないじゃ〜ん・・;;」

そう言いながら、ビルの足元・コンビニの前・ファストフード店の自動扉の前・カフェの前・・


カフェの前・・・

何ともなく通り過ぎようとしたのだが、突然立ち止まったしゃむの肩にドンっと額をぶつけた。


「い、いった・・何しゃむくんどうしたの・・」


―――その問いに答える様子もなく、しゃむはただ茫然とカフェの透明なガラスに手をついていた。

「・・??」


その、勢いで店内にすり抜け入ってしまうのではと思わせる視線の先。

俺も、店内の、窓越しの席に目を移す。


そこには――――・・


定期に移っていた証明写真そのものの白い肌と可愛げな眼・ミディアムヘアの女の子。

しゃむくんの想い人。


――Aちゃん、

の、口元に指を伸ばす・・・まふまふ。


一緒に笑いあう二人の姿。――――それは、恋人たちの醸し出す、二人だけの空気に見えた。


「ぁ、あの・・しゃむ・・」

―――何も言葉が見つからない。これは、ショック以外何でもない。


やがて彼の瞳は震えだし、細身な体がキュッと微震した。


「天月くん、これ返しといて!!!」

「ちょ、ちょっと待ってよしゃ「いいから!!用事あったから!!」・・嘘だ。」


その言葉を聞かずして、俺の胸に用事物をグッと押し当てた彼は人混みへと駈け出して行った。

物好きそうな人々が彼を眺めているが、そんなこときっと、失恋の痛手にはどうでもいいことだろう。




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るな(プロフ) - ぎゃーーーーー涙がーーーーー (2014年8月29日 21時) (レス) id: 8d24367ff0 (このIDを非表示/違反報告)
羅意思 彩月 - 感動でジーンときました。 (2013年9月15日 21時) (レス) id: 8eceea9d47 (このIDを非表示/違反報告)
オワタ ミク(プロフ) - 面白かったです\(^o^)/泣けてくる話でしたー! (2013年2月28日 22時) (レス) id: 4e16a5c933 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - 泣けました! 完結おめでとうございます! (2013年1月25日 4時) (レス) id: 30bc6ead24 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 完結おめでとう! (2013年1月24日 13時) (レス) id: d7db411825 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美音 | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2012年9月17日 18時

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