世界で一番不器用な君に俺から送る言葉は…【朔間凛月】

第14物語 ページ16

心｢Aちゃん、今日一緒にプロデュースする予定だったでしょ？｣

「え、あえっと……」

心の中でははっきり言おう。してません。

というか私は裏方の仕事ばっかりだから、プロデュースなんてあんまり出来ない。

そもそも、させて貰えないのだ。彼女に。

心｢もう、忘れやすいなぁ！ほら、いこ｣

２人に挨拶する時間もあらず、引きづられる様にして部屋を出た。

後ろからあんずちゃん、ほななぁ。というみか先輩の声が聞こえる。

そういえば、先輩の用事って何だったんだろう。聞けなかったなぁ。

そんなどうでもいい事を考えるしかなかった。

ドアの閉まる音と同時に床にドンと体を押される。

あ｢あのさぁ、部活か何だか知らないけどあまり人と近づかないでねって言ったよね？｣

しんとした空気の中、心彩先輩の声だけが響く。

心「私はね、Aちゃんの為に言っているんだよ？ね、ほら頷いてよ？ 」

頷かなかったら私はどうなるんだろうか？

殴られてこの世から消える？

あ、そっちの方が楽なのかもしれない。

この混沌としたこの世の中は、生きるのが大変だ。

いっそ、死 ねればと考えた事なんていくつもある。でも……

｢ごめんなさい。｣

分かりました。とまた作り笑いでその場を収める。

心彩先輩はそんな私を気味悪そうに、そして憐れむようにしてその場をさった。

仕事終わってないでしょ？という言葉を残して。

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