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ライアンがモビーにきてから2週間。今日は卒業試験をやるとか言われたから甲板に出ている。危ないかもしれないから隊長たち以外立ち入り禁止。
ラ「やってみろ」
ライアンに促されて琥珀に覇気をまとわせると電撃を発生させる。
ここまではできる。問題はこの後だ。
一度深く深呼吸をして一気に刀を横に振ると電撃が走って水平線の向こうに消えていった。
「…どうよ?!」
ラ「…疲労は?」
「前よりない」
ラ「意識は?」
「はっきりしてる」
ラ「気だるさは」
「ない」
ラ「…合格だ」
やった!
ガッツポーズをしてお兄ちゃんの所に向かう。
ハ「よかったね」
「これでやっと自由になれる…!」
毎日毎日修行という名のいじめ。これでやっと解放されるかと思えば気分がかなりラクになる。
ラ「A」
名前を呼ばれてそちらを見ると、ライアンが小さな箱を手にしていた。
「ん?」
ラ「これを」
「また何かくれるの?」
渡された箱を開けて見ると、イヤリングが入っていた。小さいけれど上品で高そうだ。
「これ…」
ラ「正直、女が喜ぶモノが何かなんておれは知らん。ただ、これなら戦う時も邪魔にならないと思ってな」
「ありがとう…すごく嬉しい」
ライアンからの二回目の贈り物。一回目は琥珀。二回目はまさかの装飾品だった。正直彼がこういう店に行って悩んでいる姿なんか想像できないけれど、その気持ちが嬉しくてたまらない。
ラ「ならよかった」
「大切にするよ」
ラ「あぁ。おれはそろそろ帰る」
「さすがにライアンがこんなにも長くいないのは何かあった時とか困るしね」
ラ「…また縁があったら会おう」
「…そうね」
ライアンが背を向けて船縁まで近づく。
「どうやって帰るの?」
ラ「ジャアルを呼んである」
「あー…なるほど」
ジャアルはライアンの飼っている大きな鳥で、人二人は余裕で乗せれる。何を隠そう私もあの島にいる時何度か一緒に乗った。
ラ「白ひげ、世話になった」
オ「またいつでも来いよ、小僧」
ラ「気が向いたらバカ弟子の顔でも見にくる」
口からはいつも偽りが溢れていた。
本当は嫌いではなかった。かといって好きでもないけれど、この人は様々な事を教えてくれた。
剣術を、人の愚かさを、この世の無情さを。
あー、ヤバイ。あの時も泣かなかったのに…。最後は笑ってって思ってるのに…。
「ライアン…」
振り向く彼の右目が大きく見開かれた。
「色々と、ありがとう」
頬を伝った涙。これきり会えなくなるわけじゃないのに…なぜだろう。涙がとまらない。

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シュケル - ヒロインも相手をいたぶるのが癖になりましたね!!!! (2016年12月25日 6時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - それにしても驚きましたよねぇ!!!まさかルッチ達がCP0に昇格するなんて!!!! (2016年12月24日 17時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 他のリクも心待ちにしていますよ!!!! (2016年12月24日 10時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - あなたはCP9がお好きなんですね!!!理由は何となくわかります!!!! (2016年12月23日 17時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - なぜCPOを出そうと思ったのですか??? (2016年12月23日 9時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焔彩 | 作成日時:2016年10月10日 20時

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