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話さない理由 ページ33

夜、月がなくて海は真っ暗闇で何でこんな日に不寝番なのかと心の中で悪態をつく。
仕方ないから見張り台から足を垂らしながら覇気を操る練習をする。
右手人差し指を伸ばしてそこに覇気を集中させる。電撃が発生する所まではいい。だけどそれを長時間維持するのは難しい。
ハ「熱心じゃん」
「お兄ちゃん」
お兄ちゃんが見張り台に登ってきた。
ハ「雷獣みたいになんかできるわけないのにね」
「ホントね。でも彼は私が求めれば何でも教えてくれるから」
そこでお兄ちゃんはしばらく悩む素振を見せる。そして意を決したように口を開いた。
ハ「ずっと聞こうと思ってたんだけどさ、雷獣とはその…何もないよね?!」
この時お兄ちゃんの言う何もというのは多分そういうアレだろう。
「あったって言ったらどうするの?」
ハ「叩っ斬る」
物騒な事を平然と言ってのける。
「そうね…あの島でライアンにされた事といえば…」
そこで数々の行いを思い出す。それだけで指先の電撃が更に激しくなった。
「私も叩っ斬りたくなるような行いね。だから思い出させないで」
ハ「あっ…うん」
お兄ちゃんは頷いてくれたけど、今度は別の質問を投げかけられる。
ハ「Aはどうしてオレらに何も言わないんだ?」
私の口からお兄ちゃんたちに冒険の話をした事はほとんどない。
だってそれをすればお兄ちゃんたちは悲しそうな顔をする。
そんな顔は見たくない。
「言いたくないから」
だから私は何も言わない。麦わらの一味の誰かから聞く事はあっても、私から話す事はこれから先もほとんどないだろう。
ハ「じゃあ訊けば答えてくれる?」
「…嫌」
ハ「どうして?」
「どうしても」
お兄ちゃんは自嘲気味に笑った。
ハ「そりゃそうだよね。オレが訊けばAは嫌な事を思い出す事になるわけだし。オレってバカだね」
そして悲しげに歪められる顔。
確かに、あの事は今でも時々思い出す。だけど、そんな事じゃない。話せない理由は…。
「だって…言ったらお兄ちゃん悲しそうな顔するじゃない!」
指先の電撃は消えて、声を荒げていた。
「お兄ちゃんが後悔してるのを知ってる。だけど、お兄ちゃんにはそんな顔してほしくないの!」
話したらきっと怒られるだろう。だけど同時に悲しげな顔をするに決まっている。
「私はルフィ君たちといれて楽しかった。それじゃダメなの?」
しばらく沈黙が流れる。
ハ「…仕方ないから許してあげる」
多分それは本心ではない。でも口からは礼の言葉を発していた。
「ありがと」

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シュケル - ヒロインも相手をいたぶるのが癖になりましたね!!!! (2016年12月25日 6時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - それにしても驚きましたよねぇ!!!まさかルッチ達がCP0に昇格するなんて!!!! (2016年12月24日 17時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 他のリクも心待ちにしていますよ!!!! (2016年12月24日 10時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - あなたはCP9がお好きなんですね!!!理由は何となくわかります!!!! (2016年12月23日 17時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - なぜCPOを出そうと思ったのですか??? (2016年12月23日 9時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焔彩 | 作成日時:2016年10月10日 20時

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