＿＿をする少女はハルタの妹？！ 〜番外編その2〜

億越え ページ30

朝、騒がしくて目を覚ますと部屋の扉を開けてエースが入ってきた。
エ「A！！」
「何…？」
確かエースは昨晩不寝番だったはずだ。なのになぜこれほど元気なのだろうか。しかもライアンがまだ起こしに来ていないという事はそれほど早い時間という事だ。
エ「これ見ろよ！」
そう言って差し出してきたのは全部で十枚の手配書。
受け取って一枚一枚見ていく。
モンキー・D・ルフィ5億ベリー。ロロノア・ゾロ3億2000万ベリー。ナミ6600万ベリー。ウソップ2億。サンジ1億7700万ベリー。トニートニー・チョッパー100ベリー。ニコ・ロビン1億3000万ベリー。フランキー9400万ベリー。ブルック8300万ベリー。そして私A1億5000万ベリー。
「…えっ？！」
驚く。
サーシャとしてではなくAとして手配されているのは、あの場にいた海軍の仕業だろう。
エ「ルフィが5億だぞ！」
「うん！すごいと思う！」
二人でワーワー騒いでいると、思い切り扉を叩く…というより殴る音が聞こえてそちらを見る。
ラ「うるさい！」
ライアンが静かながらに怒っていた。
「「はい…」」
ラ「起きたなら甲板に来い」
そう言われて甲板に出る。

ラ「そうか、よかったじゃないか」
腕立てを(背中に砂の入った袋を乗せながら)しつつ、手配書の事を話す。
「億越えって響きがいいよね。ライアンは？賞金首なんでしょ？」
ラ「1億9400万ベリーだ」
驚きのあまり力が抜けて重みに耐えれなくなる。
「知らなかった…！ライアンってそんなにすごかったの？！」
ラ「バカにしているのか？」
「いえ、滅相もございません」
ラ「終わったなら次だ」
「はーい」
返事をして胡座をくむと雑念を追い払おうとする。しかし、先程の手配書が気になって集中できない。
「Only Aliveってどういう事だと思う？」
サンジ君の手配書はそうなっていた。
ラ「生け捕りのみ、か。おそらく、政府に対して強い権限を持っている誰かの仕業だろう。死んでいて困るという事は、あり得るのは親族やそれに近い人間だが…」
「彼は東の海の海上レストラン出身よ」
ラ「なら知らん。別に貴様らが困るわけではないだろう」
「それはそうだけど…」
言葉に詰まる。
でも気になる。
ラ「分かったら集中しろ」
「分かったわよ」
目を閉じて集中する。この時間が何気に彼の修行の中で一番好きだ。
余計な事を考えなくていい。
過去の過ちも、未来への不安も、仲間を失う恐怖も…。
全てを忘れる事ができるから。

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