【NARUTO】初恋は叶えるもの【木ノ葉丸】

私の記憶 ページ14

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私はAヒヨとしてこの世に生を受けて、とても幸せに暮らしていた。優しい両親や温かい一族の皆と穏やかに暮らしていたんだ。平和を望み、争いを嫌う私達の一族には特別な力があった。それは、この身体に流れる血。これこそが、全ての始まりだった。

古くから木ノ葉に存在するA一族の者はその大半が優秀な医療忍者だった。それは、単にチャクラコントロールが優秀なだけではなくて、A一族が特別な血を持っているからだった。木ノ葉の伝承にはこんな一節がある。


ーAの者、その血を以て全ての傷を癒し、不治の病をも治す力を有する。


その一節の通り、Aの血には傷を癒す力があった。病人に飲ませれば確かに重篤な病気も治すことが出来る。でも、大きな力には必ずリスクがある。この血で誰かを救う事のリスクは、対象者の傷や痛みを完全に消す事と引き換えに、術者がその痛みを全て引き受ける事。

そうまでして誰かを救う者なんているのか、誰しも皆そう思うだろう。けれど、A一族は皆そうしてきた。死にかけている者を救えば引き換えに自分の命を落とす事だってある。実際にAの人達はそうやって数を減らしてきた。

これはきっとこの力を持った者にしか分からない感覚。いや、きっと皆の心の中にも少なからずある気持ち。

目の前に傷ついている人がいて、その人を救う術を自分が持っていたとしたら、助けたい。

そういった気持ちが、A一族は他の人よりも強かった。ただそれだけの事だ。

平和を望み、ひとりでも多くの人を救いたい…そう、誰よりも強く思っていた一族なのに。その身体に流れる血は、何よりも争いを引きつけた。



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