【NARUTO】初恋は叶えるもの【木ノ葉丸】

蛇の瞳 ページ13

*


「あら、随分と大きくなったわね…ヒヨちゃん」


ドクン、

心臓が大きく跳ねるのを感じた。ドクンドクンと壊れたように脈打つ私の心臓。


「は、はぁっ...はぁっ、」


息が上がる。私は私の事を捉えるこの蛇のような瞳を知っていた。

既に満身創痍なサスケとサクラの心配そうな視線を感じる。

ううん、違うの。私は大丈夫。大丈夫だから、だから...


どうかふたりは自分の事を考えて、


「よく似てきたわね...あの日、」


貴方の目の前で死んだ貴方の両親に。

品定めするかのように細められた金色の瞳。

嗚呼、叶うのなら全て忘れてしまいたかった。でも、忘れる事は許されなかった。あの日、私が全てを失ったあの夜の事を、覚えておく事が私に課された罰。


何も出来なかった私の、罪を償うための、罰だ。


「ねぇヒヨちゃん、私は貴方が欲しいの」


貴方のその血の事を、もっと知りたいのよ...

それに、貴方だって、もっと多くの人を救いたいと思っているんでしょう？貴方のその素晴らしい血を役に立てる為には、私の力が必要なはずよ…

ほんとは今すぐ攫ってしまいたい所なんだけどね、それはやめとくわ。試験中に、あまり派手な事はしたくないものね...


私の頬に触れ、蛇のような長い舌で頬をヌルリと舐められた。...十分、派手な事してるじゃないですか、なんて思っていると何処からかクナイが飛んできて、私と大蛇丸の間を分かつ。


「ヒヨちゃんに変な事すんじゃねぇってばよ！！」


聞き慣れた声に、あたたかい温もりに、安心したのか私の意識はゆっくりと沈んでいった。


*

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