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あ、忘れてた…思い出したようにヒヨ姉ちゃんは腰につけてたポーチからクナイを取り出した。
「ヒヨ姉ちゃんは、忍者なのか?コレ」
「うーん、まだ、忍者の卵ってところかな」
「ふーん...て、ちょ!?」
ヒヨ姉ちゃんはいきなりクナイを自分の掌に思いっきり刺した。血がたくさん出てる...!
「ヒヨ姉ちゃん!?何してんだコレ!?」
「ごめんね木ノ葉丸、すぐに痛くなくなるからね」
困ったみたいに笑ったヒヨ姉ちゃんは血が流れてる掌で俺の擦りむいた膝に触った。じんわりとヒヨ姉ちゃんに触られてる膝があったかくなって、水色の光に包まれた。そしたら、
「怪我が治ってる...?!それに、痛くないぞコレ」
「木ノ葉丸は強いね、痛かったでしょ?これでもう、大丈夫だからね」
笑ったヒヨ姉ちゃんは、何だか痛そうな顔をしてて、
「ヒヨ姉ちゃん...!!血が、」
俺の怪我は全部綺麗に治ってて痛みもなくなってたのに、ヒヨ姉ちゃんの掌からは相変わらず血が流れ続けてた。
「このくらい平気だよ。木ノ葉丸の怪我、綺麗に治ってよかった」
何でもないみたいに笑いながら掌に包帯を巻くヒヨ姉ちゃん。
「...ヒヨ姉ちゃんの怪我は、治んないのか?コレ」
「私の事はいいの。木ノ葉丸が気にするような事じゃないんだから」
それより、早くこの森から出ようか。暗くなっちゃったしね。優しく笑うヒヨ姉ちゃんを見てると、またドキドキした。胸が苦しくて痛くなった。
「ヒヨ姉ちゃん、俺、強くなりたい」
「うん、木ノ葉丸ならきっと、強くなれるよ」
俺の手を掴んで立たせてくれたヒヨ姉ちゃんの手をぎゅっと握り締める。
「怪我なんかしないくらい強くなるぞコレ!ヒヨ姉ちゃんを守れるくらい、強くなるぞコレ!」
「ふふ、頼もしいなぁ木ノ葉丸は。楽しみにしてるね」
笑うヒヨ姉ちゃんが何だか消えちゃいそうで、俺はまたヒヨ姉ちゃんの手を痛いくらいに握り締めた。痛いはずなのに、ヒヨ姉ちゃんはやっぱり優しく笑うだけだった。
一目惚れだったのかもしれない。
でも、運命も感じたんだコレ。
初めて俺の事をちゃんと『木ノ葉丸』として見てくれた、大事な人だから。
俺はヒヨ姉ちゃんを一生守りたいと思った。
これは、俺の初めての恋の話。
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キーさん(プロフ) - 口調がとってもそれぞれのキャラそのものですごくリアルでした!いつか更新されることを願ってます…! (2022年5月19日 21時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅双樹(プロフ) - 大人になった2人を見てみたいです!更新楽しみに待っています (2020年10月9日 18時) (レス) id: 9cc9adf25b (このIDを非表示/違反報告)
骸マホ(プロフ) - 続きがとても気になりました!更新頑張ってください!! (2020年7月7日 10時) (レス) id: 95e5fb87e1 (このIDを非表示/違反報告)
芸 - すごく面白いです!!!!!!更新待ってます!!!!!! (2018年11月30日 19時) (レス) id: 8331a2d0c7 (このIDを非表示/違反報告)
色葉(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!!早く大人になった木ノ葉丸との絡みが見たい(*・ω・*)wkwk更新待ってます!!頑張ってください!! (2018年8月26日 0時) (レス) id: eb23d37959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーい | 作成日時:2018年5月31日 19時