7●●○イケメンな要注意人物 ページ9
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いや、でもこれは緊張しすぎだよね。
落ち着け自分。
相手は仮にも同学年、同じ人間だ。
でもいきなり二人きりになるとは……。
ふと目が合えば、赤と橙のオッドアイに見つめられて。
グシャッ
テンパった私はそんな効果音が聞こえてもおかしくないほど、おもいきり資料の紙を握りしめてしまう。
「あ……」
赤司さんは苦笑いしながら、その紙の資料のしわを丁寧に手で伸ばす。
「ごめんなさいっ! ゆ、許してくだされ!」
私は必死で頭を下げた。
ポニーテールがばさっと音をたてるくらい勢いよく。
慌てたせいで敬語が変になったことなんてすぐ気づいたから、私は下を向いた状態でも、羞恥で自分の顔が赤く染まっていくのがわかった。
「……ふふっ。昴さんって面白い人なんだね。頭上げて」
言われた通り、恐る恐る頭を上げる。
その瞬間、赤司さんの顔が急接近したかと思うと。
ちゅっ
そんな、可愛らしい独特の音が鳴った。
って、いや、
……………は?
「昴さん……気に入った。改めてこれからよろしく」
今何がおきたのかまだ実感できずにぼーっとする。
ただただ私は、視界におさまる赤司さんを気の抜けた目で見つめた。
「力抜いてあげようと思っただけなんだけど、やっぱりほっぺにキスはびっくりしたかな?」
な、な、な………。
その言葉にやっと頭が状況を整理し終わったが、それでも驚きは消えず、むしろ倍増して、足から力が抜けていくのがわかった。
「力抜けすぎましたよ……」
床にぺたりと座り込む。
こわすぎるよ何この人。
「海外では普通の事だよ」
赤司さんは、やわらかく笑っている。
やっぱり格好いい。
っ、じゃないよ!
頭可笑しいの? この人。
No海外!
Yes日本!
In Japan!
「さ、仕事続けようか」
「はい……」
「敬語?」
「あっ、うん!」
あっという間に赤司さんのペースにひきづられながらも、私は仕事をこなすべく生徒会室のパイプ椅子に腰を掛けた。
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赤司さんが資料の束をまとめる音が広い生徒会室に響く。
時計を見ると、さっき仕事を初めてからまだ40分ほどだった。
「じゃあ、また明日、ここで」
「りょーかい。じゃあね……」
イケメン。されど、だからこそ要注意。
少しの間一緒に過ごして、私が赤司征十郎から学んだことはそれだった。
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ラッキーアイテム
黄色の湯豆腐
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神無月光凛兎(プロフ) - snowmanさん» 質問いいですか?あのー字の色ってどーやって変えてるんてるんですか?ピンクだったんでどーやってるんだろと思いまして… (2015年5月11日 0時) (レス) id: d8364f007e (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 和美/渚とカルマさん» ありがとうございます!続編公開遅れててすいません(><)もうしばらくお待ちください。大丈夫です!きっと、仲直りします♪ (2015年4月10日 16時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
和美/渚とカルマ - 初めまして、続き頑張って下さい。征君と仲直りしてほしい。 (2015年4月10日 15時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 彌莉椏(ミリア)さん» ありがとう!(*^.^*)そうだね♪励まし合いで更新率UPだね! (2015年3月31日 17時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
彌莉椏(ミリア)(プロフ) - ファーストシリーズ(?)完結おめでとう(((o(*゚▽゚*)o))) 続編も応援してるよ!!Σd(・ω・*) お互い更新頑張ろー(m'◇'m) (2015年3月31日 17時) (レス) id: f64970fd2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:snowman | 作成日時:2014年12月7日 10時