3●●○初々しいクラス ページ5
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身にまとった制服は、まだ折り目も真新しく、身体に馴染んでいない感じがして落ち着かない。
この教室に来るまでに見つけた鏡には、そんな心境が見てとれる自分自身が写っていた。
そこで、自分を落ち着かせるため俯いて目を閉じ、深呼吸をしてから顔を上げると、視界の端に写った窓から、桜の花びらが風にふかれて地面に落ち、美しい絨毯を重ねていくのが見える。
「昴 Aです。趣味は…うーん、星を見ること。…天体観測かな? これからよろしくお願いします」
高校2年生の春、私はこの洛山高校に転入してきた。
お婆ちゃんも亡くなって、親戚の家に引き取られることになったからだ。
あの大きな3階建ての家は、売ってしまったらしい。
でも天体望遠鏡としなもんは、今でも私の大事なパートナーだ。
家に居るときは足元でしなもんが寝そべっている、ということがほとんど。
もっとも前と違うところは、庭に望遠鏡があることだな。
教室はガヤガヤしていてうるさいわけではなく、思ったより静かだった。
転入してくるのがクラス替えまでに間に合わなかったのが残念だが、まだ初々しいこのクラスを、私は一目見て気に入った。
「よろしくねー」
「メルアド交換しよ!」
「どこから来たの?」
朝のホームルームが終わるとたくさんの元気な女子達に質問攻めにされた。
なんだ。授業中以外は元気な子が多いんだ。
友達づくりは最初が肝心!と気を引き閉める。
私は別に綺麗でもブサイクでもない、まあ言ってしまえば普通の顔だから、性格で友達が決まるし。
私はできるだけ笑顔で、時々ウケも狙ったりして、とにかく気を配りながらみんなと会話した。
でも、みんないい人っぽいし、良かった。
学校生活はとりあえずうまくやれそうだ。
たくさんの女子に囲まれていた私だが、授業が始まるとやっと人だかりがなくなる。
なんだか気がぬけて伸びをしようとすると、トントン、と肩を叩かれた。
「お前さ、昴っていうんだよな? 俺もすばるなんだぜ!」
振り向くと、笑った顔がなんとも可愛らしい、茶色の瞳と、茶色いくるんとした髪が印象的なイケメン君がいた。
ラッキーアイテム
黄色の湯豆腐
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神無月光凛兎(プロフ) - snowmanさん» 質問いいですか?あのー字の色ってどーやって変えてるんてるんですか?ピンクだったんでどーやってるんだろと思いまして… (2015年5月11日 0時) (レス) id: d8364f007e (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 和美/渚とカルマさん» ありがとうございます!続編公開遅れててすいません(><)もうしばらくお待ちください。大丈夫です!きっと、仲直りします♪ (2015年4月10日 16時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
和美/渚とカルマ - 初めまして、続き頑張って下さい。征君と仲直りしてほしい。 (2015年4月10日 15時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 彌莉椏(ミリア)さん» ありがとう!(*^.^*)そうだね♪励まし合いで更新率UPだね! (2015年3月31日 17時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
彌莉椏(ミリア)(プロフ) - ファーストシリーズ(?)完結おめでとう(((o(*゚▽゚*)o))) 続編も応援してるよ!!Σd(・ω・*) お互い更新頑張ろー(m'◇'m) (2015年3月31日 17時) (レス) id: f64970fd2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:snowman | 作成日時:2014年12月7日 10時