検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:27,471 hit

30●●○バレた ページ32







「てかさー、Aちゃん風邪ひいたの?」

「? なんで………、あ、はい、軽く」






とっさに嘘をつく。

マスクしてるから、風邪だと思ったんだろうな。






「だいじょーぶ? 無理しないでねっ」






満面の笑みでそう言った葉山先輩は、私の頭をポンポンと優しく叩いてから、側にあったスポドリに手を伸ばす。






「ありがとうございます……」






その笑顔があまりにも純粋に見えたから、私は少し罪悪感を感じてしまった。






「あっ、冷たくて気持ちーよ、これ」






葉山先輩は、スポドリが入った容器を、ピタリと自分の頬に当てた。



わかる。

運動した後にはおもわずやってしまうことだ。






「ていうかさ、Aちゃんとオレだけでこうやってちゃんと喋るのって、なにげに初めてじゃない?」

「あ、そうかもですね!」






確かに、こうして二人だけでこんなに喋ったことは無かった。

初対面の印象が強めで、女好きなのかなって思っていた時期もあったからなあ。






「あ、言っとくけどオレさ」






そんなことを考えて一人で納得していると、おもむろに葉山先輩は頬からスポドリを離して、私を真っ直ぐに見つめて言葉を繋げた。






「初対面の人に、わざわざ嘘言ったりしないからね」

「え……」


「Aちゃんがオレのタイプだってことは変わんないよっ!」






なっ!!


葉山先輩は天然たらしに違いないな。

そんな言葉を言われたら、女の子なら誰だって照れちゃうよ。


そして、次に葉山先輩は、またもやさらっと天然発言。






「あれ、Aちゃん耳赤いよー? 暑いのっ?」






うっ、葉山先輩のせいなんですよ!

私は男慣れしてないんです!






「スポドリ、ほっぺに当てたげる!」






そんな明るい声が私の耳に届いたかと思うと、葉山先輩の指が、私のマスクを捕らえていた。






「あっ!!」

「え、これ……」






葉山先輩の手からはらりと落ちたマスク。

慌てて両手で自分の顔を覆うが、もう見られただろう。



その証拠に葉山先輩の目はまんまるで、とても驚いている様子だったから。






「……その痣、なに?」






……バレたな。





31●●○下がる眉→←29●●○リスク


ラッキーアイテム

黄色の湯豆腐


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神無月光凛兎(プロフ) - snowmanさん» 質問いいですか?あのー字の色ってどーやって変えてるんてるんですか?ピンクだったんでどーやってるんだろと思いまして… (2015年5月11日 0時) (レス) id: d8364f007e (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 和美/渚とカルマさん» ありがとうございます!続編公開遅れててすいません(><)もうしばらくお待ちください。大丈夫です!きっと、仲直りします♪ (2015年4月10日 16時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
和美/渚とカルマ - 初めまして、続き頑張って下さい。征君と仲直りしてほしい。 (2015年4月10日 15時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 彌莉椏(ミリア)さん» ありがとう!(*^.^*)そうだね♪励まし合いで更新率UPだね! (2015年3月31日 17時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
彌莉椏(ミリア)(プロフ) - ファーストシリーズ(?)完結おめでとう(((o(*゚▽゚*)o))) 続編も応援してるよ!!Σd(・ω・*) お互い更新頑張ろー(m'◇'m) (2015年3月31日 17時) (レス) id: f64970fd2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:snowman | 作成日時:2014年12月7日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。