30●●○バレた ページ32
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「てかさー、Aちゃん風邪ひいたの?」
「? なんで………、あ、はい、軽く」
とっさに嘘をつく。
マスクしてるから、風邪だと思ったんだろうな。
「だいじょーぶ? 無理しないでねっ」
満面の笑みでそう言った葉山先輩は、私の頭をポンポンと優しく叩いてから、側にあったスポドリに手を伸ばす。
「ありがとうございます……」
その笑顔があまりにも純粋に見えたから、私は少し罪悪感を感じてしまった。
「あっ、冷たくて気持ちーよ、これ」
葉山先輩は、スポドリが入った容器を、ピタリと自分の頬に当てた。
わかる。
運動した後にはおもわずやってしまうことだ。
「ていうかさ、Aちゃんとオレだけでこうやってちゃんと喋るのって、なにげに初めてじゃない?」
「あ、そうかもですね!」
確かに、こうして二人だけでこんなに喋ったことは無かった。
初対面の印象が強めで、女好きなのかなって思っていた時期もあったからなあ。
「あ、言っとくけどオレさ」
そんなことを考えて一人で納得していると、おもむろに葉山先輩は頬からスポドリを離して、私を真っ直ぐに見つめて言葉を繋げた。
「初対面の人に、わざわざ嘘言ったりしないからね」
「え……」
「Aちゃんがオレのタイプだってことは変わんないよっ!」
なっ!!
葉山先輩は天然たらしに違いないな。
そんな言葉を言われたら、女の子なら誰だって照れちゃうよ。
そして、次に葉山先輩は、またもやさらっと天然発言。
「あれ、Aちゃん耳赤いよー? 暑いのっ?」
うっ、葉山先輩のせいなんですよ!
私は男慣れしてないんです!
「スポドリ、ほっぺに当てたげる!」
そんな明るい声が私の耳に届いたかと思うと、葉山先輩の指が、私のマスクを捕らえていた。
「あっ!!」
「え、これ……」
葉山先輩の手からはらりと落ちたマスク。
慌てて両手で自分の顔を覆うが、もう見られただろう。
その証拠に葉山先輩の目はまんまるで、とても驚いている様子だったから。
「……その痣、なに?」
……バレたな。
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黄色の湯豆腐
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神無月光凛兎(プロフ) - snowmanさん» 質問いいですか?あのー字の色ってどーやって変えてるんてるんですか?ピンクだったんでどーやってるんだろと思いまして… (2015年5月11日 0時) (レス) id: d8364f007e (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 和美/渚とカルマさん» ありがとうございます!続編公開遅れててすいません(><)もうしばらくお待ちください。大丈夫です!きっと、仲直りします♪ (2015年4月10日 16時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
和美/渚とカルマ - 初めまして、続き頑張って下さい。征君と仲直りしてほしい。 (2015年4月10日 15時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
snowman(プロフ) - 彌莉椏(ミリア)さん» ありがとう!(*^.^*)そうだね♪励まし合いで更新率UPだね! (2015年3月31日 17時) (レス) id: a3ebd09a9e (このIDを非表示/違反報告)
彌莉椏(ミリア)(プロフ) - ファーストシリーズ(?)完結おめでとう(((o(*゚▽゚*)o))) 続編も応援してるよ!!Σd(・ω・*) お互い更新頑張ろー(m'◇'m) (2015年3月31日 17時) (レス) id: f64970fd2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:snowman | 作成日時:2014年12月7日 10時