永遠のキスは星に【赤司征十郎】

22●●○知り尽くしてしまいたい ページ24

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公園につき、この前置いた石に腰掛ける。

オレの右隣にはAがいて、本当に嬉しそうに星空を眺めていた。






「あっ、あれだー！ 春の大三角！ 見て見て、征！」




興奮した様子で空を指差しながらそう言うAの瞳は、あまりよく見えない暗闇のなかでもきらきらと輝いていて、オレをみつめる。





可愛いな……。





あー……。




もうわかっているのかもしれないな、オレは。
自分の気持ちが。


今だって、Aの瞳にみとれてしまった。



予想はできていたが、やはり自覚すると、こうしてただ隣に座っているだけのことでも胸が高鳴る。






「……ああ、綺麗だね。あれだろう？」






嘘だ。



本当は春の大三角がどれかなんてわからない。




でもAは、星が大好きだろう？

オレがこうしてAの側にいられるのも星を一緒に見るためにだから。


Aの好きなものは、オレも好きになる。

同じものを好きなんて、幸せだ。

オレは幸せになりたくて、見栄を張ったんだ。


だからAが指差すあたりを、オレも指差した。



こんな嘘つきで見栄っ張りな男のことなんて、Aは好きになってくれないだろうか。







「征って、星にも詳しいんだね！ 本当なんでも出来て、凄いよね。うらやましい」

「好きなことは、疑問がなくなるまで、知らないことがなくなるまで勉強してしまうだけだよ」







Aのことももっと知りたい。

知り尽くしてしまいたい。






………不思議だな。



なんだか、いきなりオレの世界の中心が、Aになってしまったような感覚。


そうしているのはほかでもないオレ自身なのだけれど。

でもそうしたいとオレに思わせることができるのは、A、ただ一人なんだ。









「……Aって、好きな人とかいるのかい？」







近くの家の明かりが一つ消え、暗闇が少し濃くなる。


それをいいことに、オレはそう問うと、空を見上げてAから視線をそらす。


そうでもしないと、Aの答えを聞けなかったから。




案外、オレって弱いんだな。


いや、Aに、かな？





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