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今、センラはなんて言ったんだろう。
好き?ずっと昔から、私のことが?
ずっと振られてきたし、今回も振られると思っていた。
なのに、聞こえてきたのは真反対の言葉。
思わずセンラに視線を合わせる。
センラは、今までに見たことがないほど顔を赤くしていた。
「ちょ、あんま、見んといて」
「え、だって!ずっと私のこと振ってきたじゃん、ずっと適当に返してきたのに、なんで」
この質問が聞かれたくなかったのか、バツの悪そうな顔をするセンラ。
さすがにこの質問には答えてもらわなきゃいけない。というか納得のいく回答が欲しい。
私のこの思いが視線にもこもっていたのか、センラは重たいであろう口を開ける。
「……付き合ったら、余裕、見せられんよなって思って」
「はい?」
「だーかーら!男として、年上として、かっこいいところ見せたかったんよ、でも付き合ったら俺気持ち抑えられんくて、Aにべたべたくっ付いてまうよなとか考えてて、せやから」
「…………せやから、余裕を持てる男になったら、俺から告白しようと思ってた」
そう言うとセンラは顔みたらあかん、といってもう一度抱き締められる。
肩口に頭部を押し付けられてるせいで顔は見えないけど、心臓の鼓動が早いのが僅かに聞こえる。
なんだそれ、余裕のないセンラも大好きなのに。
とことんずるい男だ、この人は。
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まりあ リス_ラ - 好きです (2019年4月6日 0時) (レス) id: 4cddf3a5c1 (このIDを非表示/違反報告)
倖弥(プロフ) - 史緒さん» ありがとうございます!楽しみにしています! (2018年9月12日 9時) (レス) id: c364521a02 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - 倖弥さん» ご意見、感想ありがとうございます!新しい小説を作成し外伝という形にしようと思います!! (2018年9月12日 0時) (レス) id: ed6dc68708 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - 岡本 えりさん» リクエストありがとうございます!こちらで番外編として書くにしろ残り話数が少ないので外伝という形で作ろうと思います、少々お待ちください…! (2018年9月12日 0時) (レス) id: ed6dc68708 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 えり(プロフ) - ぜひお願いします!新しい小説が見たいです! (2018年9月11日 16時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:史緒 | 作成日時:2018年8月19日 20時