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そこで諦められたらどんなに良かっただろう。
でも、諦められなかった。
センラは私が落ち込んでいる時は必ずそばに居てくれる。
それは、センラが私の事をふっても変わらなかった。
「よしよし、大丈夫やで、Aは頑張ってる、ちゃんと俺は見とるよ」
優しく微笑んで、頭を撫でてくれる。
それだけのことなのに、私にとっては何よりも嬉しいこと。
だから私はこの恋心を捨てられなくて、まだ君に想いを伝え続けてる。
「____?A、なにぼーっとしてるん」
「えっ?いや、ごめん、なんでもないよ」
「ならええけど……じゃ、仕事頑張りや」
ふと昔のことを思い出していたらセンラと別れる道にさしかかるところだった。
センラはなんのためらいもなく私から背を向け、目的地へと歩き出す。
私はこうして少しでもセンラのことを見ていたいのに、センラは私の方を向いてはくれない。
……いつまでこんなくよくよしてるんだ、いつものことじゃないか。
はぁ、とため息をついて、私も会社の方へ歩き出す。
いつかこの恋心が実りますように、なんて思い続けてはいるけど、本当に実る時なんてくるのかな。
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まりあ リス_ラ - 好きです (2019年4月6日 0時) (レス) id: 4cddf3a5c1 (このIDを非表示/違反報告)
倖弥(プロフ) - 史緒さん» ありがとうございます!楽しみにしています! (2018年9月12日 9時) (レス) id: c364521a02 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - 倖弥さん» ご意見、感想ありがとうございます!新しい小説を作成し外伝という形にしようと思います!! (2018年9月12日 0時) (レス) id: ed6dc68708 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - 岡本 えりさん» リクエストありがとうございます!こちらで番外編として書くにしろ残り話数が少ないので外伝という形で作ろうと思います、少々お待ちください…! (2018年9月12日 0時) (レス) id: ed6dc68708 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 えり(プロフ) - ぜひお願いします!新しい小説が見たいです! (2018年9月11日 16時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:史緒 | 作成日時:2018年8月19日 20時