検索窓
今日:13 hit、昨日:16 hit、合計:71,846 hit

7日目 ページ8

「それじゃあ、行ってきます!」



なんの変わりもない朝。
今日も私は坂田先輩にあいさつをして家を出る。



変わったことといえば、坂田先輩の手錠を解いたことと、私にできた印くらい。



手鏡で昨日噛まれた場所を確認すれば、しっかりと赤くなっている。



これは、一種の首輪だ。


私から坂田先輩へ、じゃなくて


坂田先輩から、私への。



昨日のことを思い出せば、今でも幸せな感情があふれてくる。

私の心の中の器はもう彼で一杯で、一滴たりとも他のものが入る隙間なんてない。



「おはよ、A!あれ、その首どうしたの?痛そうだけど……ばんそうこういる?」



「おはよ、これね、犬に噛まれちゃったんだ、うちの犬、スキンシップが激しくってさ〜」




「……あ、でも、ばんそうこうはいらないかな、そんな痛くないし、大事な存在からの傷ならへっちゃらってやつ?」



「も〜、何それ!」


友人とさも何も無いかのように言葉を交わす。



嘘はついてない。



大事な存在からの傷なら、私はいくらでも受け入れられる。



それに、昨日はともかくいつもは本当に元気でどこか犬っぽいし。


それでも、これを首輪と例えるなら。




「……犬は、私なのかもね」

8日目→←6日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (198 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
383人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*叶愛菜** - うわあああ!好きっ!(語彙力) (2019年2月15日 18時) (レス) id: 04e70c44c5 (このIDを非表示/違反報告)
つぼみ - 普段の坂淡には味わえないヤンデレが見えて、とても引き込まれました1いつかでいいので、さかたんの優しい甘酸っぱい、そんな小説を読みたいです! (2018年10月27日 15時) (レス) id: af4d084e07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろう(プロフ) - ありがとうございます!これからも他のお話等頑張って下さい(^^) (2018年8月28日 20時) (レス) id: 142b9ac1f9 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆいたろうさん» 嬉しい言葉ありがとうございます!頭の中で考えてはいたのですが結局書かずにいました笑感謝の気持ちとして、番外編という扱いでそちらをまたちまちま付け足そうと思います、ゆっくりお待ちください! (2018年8月27日 23時) (レス) id: ed6dc68708 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろう(プロフ) - 凄く面白くて完結してもずっと読み返してます!そこで気になったのですが、14、15、16日目で本編では志麻さんと主人公のシーンになっていますが、坂田さんとうらたさん、センラさんがいる家ではどのようなやり取りがあったのでしょうか?今更でごめんなさい! (2018年8月27日 22時) (レス) id: 142b9ac1f9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:史緒 | 作成日時:2018年8月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。