【あほの坂田。】共 依 存 ら い ふ

18日目 ページ19

驚きのあまり声も出ない、だって、これ、家の中にいる写真もあれば、大学にいる時の写真まである。


私がいない時、坂田先輩は、もしかして。


予想できた行動にぞく、と鳥肌が立つ。


何で気付けなかったんだろう、いや、気付こうとしなかったんだろう。




いつの間にか彼の愛情は、私の愛情より重く、濃く、多く、歪んでいた。

嫌なわけが無い、むしろ嬉しいまである。

彼からの愛情はどんなものだって嬉しい。
でも、今欲しいのは彼の愛情の形じゃなくて、彼自身だ。

もう一度探してみよう、と立ち上がった瞬間に、とん、と肩を押されて立ち上がろうとした体はもう一度床についた。


目の前に立っているのは、会いたくて会いたくて仕方がなかった人。


｢さかた、せんぱ………｣


扉の前に立つ坂田先輩の顔は逆光でよく見えないけれど、ただ一つ分かったことがある。


目が、笑っていない。


口元は穏やかなのに、目は笑っていないどころか、光すら宿していない。



ねぇ、どうして。


悪いことをしたのなら謝るから、愛情が足りなかったのならもっと注ぐから、



｢嫌いに、ならないで｣


ぽつりと呟いた私の言葉は坂田先輩に届いたのか届いていないのか、分からないまま



坂田先輩は、私に覆いかぶさった。

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