薬師高校野球部のマネージャーさんは超厳しいみたいです (ページ32)

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第28話ページ32

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ここでその話をふられると思ってなかった
先輩達が引退した後も何も言ってこなかったからてっきり忘れてるものだと…

でもいつまでも隠してるわけにはいかないよね

あ「…わかった」

俊だけには話すよ、私のこと

あ「そんなに深刻な理由ではないんだけど…私が元々野球してたことは知ってるよね？」

真田「知ってる」

あ「中学のとき丸亀シニアっていうチームで野球してたんだけど、私ピッチャーだったんだ。」

丸亀シニアは男女関係なく受け入れてくれる所だったから良かったけど、やっぱり女子というだけでレギュラーを取ると上級生からいびられたこともあった。

でもそれでも野球が好きだから頑張れた
一つ上のクリス先輩とバッテリーを組めた時凄く嬉しかった。クリス先輩はちゃんと実力を見て認めてくれてた。女子とか関係なく

あ「でも、一つ上の先輩が引退した後…練習試合で足やっちゃって」

真田「…靭帯断裂」

あ「そう、入院して手術して戻ってきた時にはもう遅かった。それどころかリハビリから始めなくちゃいけなかったからね」

あの時の私は凄く荒れていた
同級生で異気の合う友達…白河にも迷惑かけた

野球から離れることはできなかったけど皆がプレーをしてる所を見たらなんとも言えない気持ちになる

あ「普通に走れても他の守備につけてもやっぱりピッチャー出来なかったら意味無いんだよね…」

ピッチャー以外ならどこでもできると言われた時、嘘であってほしいと思った。ピッチャーが出来なかったら何のために野球してるのか分からないから

あ「なかなか荒れてたからね。あの状態で青道高校なんか行ったらクリス先輩にも他の人にも迷惑がかかる…だから薬師高校に来たの」

本当は野球部のマネージャーになるつもりもなかったんだけどね

真田「だからお前はじめの頃マネージャーやらなかったのか」

あ「監督がこの高校に来た時にマネージャーになってくれって頼まれたの」

真田「…監督が」

あ「何故かは知らないけど監督、私の過去のこと知っててさ。頭下げられたからには断れないし…野球離れて物足りなかったしね」

真田「そっか…ありがとな」

あ「ううん。こっちこそ聞いてくれてありがとう」

真田「そんじゃ戻るか！」

「雷市ー戻るぞー」と言う俊を見てあえて何も聞かないんだなと思った。俊は優しいから

あ「薬師に来てよかった…」

私はこのチームで甲子園に行きたい。
心からそう思えた

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