。゜+゜。〇-Episode2:優しい救いの手-〇。゜+゜。 ページ24
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和田「君の事情は知ってるよ。本来であれば、近衛家に嫁入りする予定だったんだろう?」
沙耶「な、何で知ってるんですか!?」
まさか、自分の事情を調べられているとは思っていなかった
思わず、大きな声で驚いてしまう
和田「ちょっとね…調べさせてもらったよ。飛鳥家が、いろいろやらかしてくれてるね」
沙耶「…」
和田「飛鳥家の令嬢の悪評は、社交界では有名だ。まさか、その娘までもが厄介だとはね…。婚約者を略奪だなんて、良い度胸だ」
沙耶「…」
和田は少し笑っていたが、言葉はとても冷たく鋭かった
和田「悔しくないの?義理の妹に、婚約直前で婚約者を奪われて…」
沙耶「悔しいですよっ…!玲奈のわがままに振り回されるのは、もううんざりです!!真斗との9年間の付き合いが…一瞬で意味のないものになって…」
和田「…」
沙耶「私がこの家で使用人として働く姿を、どういう気持ちで見ているんだろう…。かなり見下しているのは間違いないです…。いつも、見せつけるように…真斗にくっついてるんです。見たくなくても…見せつけられるんです…」
和田「悪趣味だな…。君をこの家で働かせ、君の元婚約者と自分が幸せになっていく姿を見せつけて嫉妬させる…。それが目的なんだろうね」
沙耶「嫉妬なんてありません…。悔しいだけです…」
真斗と玲奈がどんなに仲良くなろうと、嫉妬なんてしない
ただただ、悔しい気持ちが募るだけだ
大号泣をした日だって、ただただ悔しくて泣いていた
好きな人を奪われて、自分だけが惨めになっていくのが悔しかった…
和田「…このままでいいの?」
沙耶「え…?」
和田「雅彦さんが『沙耶ちゃんを幸せにしてくれ』と言ってきた。近衛家の人たちは、君を心配している」
沙耶「…」
優子と桜庭も、沙耶にこれ以上つらい想いをしてほしくないと願っていた
もちろん、雅彦も同じ気持ちだ
和田「君に一目惚れしたのは本当だ。こんなに忘れられない女性は初めてだ」
沙耶「でもっ…。私は、ただの小説家の娘です。父は多くの作品を出していますが、大きなヒット作を生み出しているわけではない…。だから、小説家の娘ですけど…令嬢とまでいえる立場ではありません」
和田「…」
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作者名:あきか | 作成日時:2022年9月30日 21時