本当はずっと素直になりたかった

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だけど、そんな嘘長く続く訳が無かった。

もともと嘘をつくのは苦手だし、

すぐに表情に出てしまいやすいから。







この時…

ちゃんと素直に気持ちを言ってれば良かったんだ。



言ってれば…

俺らの関係はまたすぐに戻ってた…




嫉妬は関係を崩してくって分かってた筈なのに…









太輔の手が額に触れる。





「あれ、…熱くないね。」





俺のおでこに触れた瞬間、太輔が疑問そうに首を傾げた。




内心、バレないかヒヤッとした。

だって俺どこも体調悪くないし、熱があるわけないもん。







そんな俺の一瞬の表情を太輔は見逃さなかった。









「…ひろ…。…嘘ついてる？」


「…っ」





大げさな程にビクッと体が跳ねる。


そして一瞬で太輔が

眉に皺を寄せたと思うと真顔になった。








「なんだそれ…最低だな。」








あ…


俺、取り返しのつかないことした。







気付いた時には遅かった。









「…健永が大変な時にそんな事する人だと思わなかった。」


「あ、ごめ…っ」


「ごめん、悪いけど俺、今ひろの嘘に付き合ってあげられるほど余裕ないわ。」






そう言うと太輔は俺から離れてリビングを出て行った。








心のどっかで思ってた。

体調悪いふりしたら太輔が構ってくれるんじゃないかって。







でも知ってた。

分かってたから後悔した。

嘘は絶対駄目な行為だってこと。









君に言えなかった言葉。










寂しい。


…本当は太輔にそばにいて欲しかった

ただそれだけ。

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