本当はずっと素直になりたかった

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力の上手く入らない俺をベッドにゆっくりと横にしてくれる。

ベッドにこのまま沈みこんでくんじゃないかってくらい脱力しきった身体。


本気で怠くて仕方ない。








「今は何も気にしないで、ゆっくり目閉じて。」





そう言われ、優しく頭を撫でられたら自然と目がゆっくりと閉じた。

何も考えなくていいや、って思える。







なんかよくわからないけど、

もう太輔と喧嘩しなくていいんだって安心感が凄い。




喧嘩っていうストレスがなくなったからか一気に睡魔が襲ってくる。

さっきまで寝れるか心配なんてしてたけどそんな心配する必要なかったみたい。







「ふふ、おやすみ、ひろ。」



すりすりと甘えるみたいにその手に擦り寄れば、優しく太輔が微笑んだ。









喧嘩しないように、

太輔をもう2度と怒らせないようになんて思わない。





だってそんなのいちいち気にして気を使ってたら一緒にいて疲れるし、

そんなの本当に恋人って言えるのかって俺は思っちゃう。





喧嘩するのは別にわるいことではない、って俺は思う。






まぁ、こんな大喧嘩しばらくいいや…







なんてちょっと、いや大分疲れきった俺はゆっくりと意識がとぶかのように眠りについた。





きっと目覚める時は体がだるくて仕方ないんだろうなぁ、なんて心のどこかで思いつつ。








その予想は見事に的中してしまうのだけれど。





でも今はただ体をすべて太輔に委ねて、

なにも考えずに体を休めた。







脳裏の奥に太輔のあの軽蔑したような表情がこびり付いて眠れなかったこの1週間。



だけど、今。

脳裏の奥の太輔は優しく笑ってた。

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