本当はずっと素直になりたかった

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Yside





「こんな状態でサプライズ出来るのかな…？」



辛そうに言葉を発する千賀の肩をニカが千賀のそばに駆け寄ってそっと抱いた。

みんなの気持ちが痛いほど伝わってくる。







太輔とみっちゃんがギクシャクしたままサプライズをしたって上手くいかない。




いや、表面上は上手くいくと思うよ…？

2人とも本当に自分の感情を上手く隠して演技するのが上手だから…。



でも絶対に心から喜べないだろうし、祝えないだろう。








そんなのいやだ…って玉が泣きそうな顔した。





それにつられて千賀の顔も泣きそうに歪み、

段々とみんなの顔と空気が暗くなってくのが分かった。








もうサプライズは無理かもしれない…

なんて一瞬思った。






…いや、無理じゃない。






無理って思ったけど無理なんて思うのは駄目だって思った。



だってここでやめたらみっちゃんきっと後悔する。

みっちゃんだけじゃなくて俺も。








てかいい加減ここら辺で仲直りして貰わなきゃ困る。


このままずっと微妙な空気で居られても、

折角の心地良い空間の楽屋が居づらいものになってしまう。









「俺がなんとかするよ。」



そう言うとみんなの顔が俺の方に向いた。





「ほんとに…？」


「うん、今からみっちゃんの所行って話してくる。」


「…っ、横尾さん宜しくね！」






みんなの顔が明るくなった気がした。


任せたって胸を張って言ったからには、絶対に2人に仲直りして貰わなきゃ！







でも実は俺も、

太輔があんなに怒る理由も分からない。




ああ見えて考えが女子っぽい所があるし、不機嫌になりやすいって事は分かってるけど…

太輔がそこまで短気だとは思えない。




あの女々しい思考でゴチャゴチャ考え過ぎてるのか、

それか何か深い理由があるのかのどっちかなんだろう。






まぁそこはきっとみっちゃんが素直になればきっと解決する。


取り敢えず一目散にみっちゃんと話がしたくて足早にホテルへと向かった。

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