本当はずっと素直になりたかった

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「ミツ…っ！」



暫くすると寝室の入口で泣いてる俺に近付いてきて心配してくれるニカと千賀。

折角の感動の仲直りの瞬間なのに俺のせいでぶち壊してしまった。







「ねえ…、…大丈夫？」


「どうしたの？何かあった…？…俺らでよかったらなんでも聞くよ。」





優しい2人の姿に俺は甘えてしまった。




普段だったら年下に相談とか甘えるとかあんまりしないんだけど

そんなの気にしてる余裕なんてなかった。






それくらい頭が後悔と寂しさで埋まってた。







俺は泣きながらちゃんと言葉になってるか分からないけど

昨夜の出来事をゆっくりと話した。









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「ミツ、それはないと思う。」


「…っ」





今まで聞いたことのないくらいの低い声でそう告げるニカにびくり…と大袈裟な程に身体が跳ねた。



あまりに冷静にさらりと否定されるもんだから、
また泣きそうになってしまう。







「ごめんだけど…俺には理解出来ない。それって結局はガヤを騙したってことでしょ？」


「ちょっと高嗣…っ」


「…っ」


「だって…いくらなんでもそれは酷いよ。

好きな人に嘘つかれたら誰でも傷付く。…ミツのした事は最低な事だよ。」


「高嗣っ、言い過ぎだって！」


「っ、大丈夫…話し聞いてくれてありがとな？」







本当はまた泣き出してしまいそうで、手まで震えちゃってるけど…。

ニカの言う通りだ。






ニカはストレートでオブラートに包むことなくズバズバ言ってくるけど

思ったことをしっかり伝えてくれる。

それは俺のことをちゃんと考えてくれてるからって分かってるから、辛くはないし傷つかないけど…





でもだからこそニカの言葉が胸に刺さった。








そんな時俺をかばうかのように千賀が口を開いた。






「宏光も悪くないよ、宏光の気持ち分かるもん。」


「…っ」



まさか肯定されるなんて想像すらしてなかったから驚いて顔を上げる。







「ミツが嫉妬するの分かるよ、

…もし俺がミツの立場だったら嫌だもん。」


「…っ、」


「ごめんね、ミツ…、つらかったねごめんね…」


「っ、千賀が謝ることじゃない…っ」


「うん、だけどごめん…」






千賀は何も悪くないのに泣きそうになりながら謝ってくるから




俺がしっかりしなきゃって、

ぐっと歯を食いしばり前を向いた。

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