【ハリーポッター】吸血鬼少女は戦う【１１章】 (ページ17)

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進路３ページ17

ーA視点ー

『そういえば何でアンブリッジ先生がいらっしゃるんですか？』

地下室の薬学の教室で形式だけ、とはいえ進路指導を受けにいけばアンブリッジが二つほど後ろの机についていて、何やら目を血走らせて書き込んでいる。
私の発言にそんなに問題があったのだろうか。嫌われていることは重々承知しているけれど。

「…気にすることない。」

うんざりとした声色でセブルスはアンブリッジを無視するように君の悪い笑みを浮かべた。
多分それほどにストレスが溜まっているのだろう。

「それで、家を継ぐから、場所に縛られない研究職につきたい…と言う話だったかな？」

魔法薬学や魔法生物学のパンフレットを数枚並べて説明を始める。
アンブリッジがいなければこの時間を雑談に使うと思っていたので、正直どこまでボロを出さずに真剣に進路相談のフリをできるか…
あんまり職業について調べていないので、できれば質問は無しにして欲しい。

『はい、できれば魔法生物と魔法薬の関係性、とかできればなって思って。』

まぁ、普通に吸血鬼の性質を抑える薬とか、人間に変える方法が見つかればいいとは思っているのであながち嘘ではない。
今の技術では不可能に近いということは理解している為、希望的観測でしかないんだけれども。

「具体的には何を考えているの？」

私の右後ろから甘ったるい声で質問を投げかけられる。
具体的に、か。ここで吸血鬼とか言ったらなんだか噛みつかれそうだ。物理的に出なくて、話題的に。

『事故で人狼になってしまった人の為の脱狼薬の改善、マーピープルと水上でも話ができるようにするための薬…他にも色々とありますけど、今ぽっと浮かぶのはそれくらいでしょうか？』

無難に今実際に研究が進められている分野を挙げておいた。
脱狼薬は改善することができないかとずっと試行錯誤され続けているし、コミュニケーションをとるための薬はあって損はない。

その答えを聞いたアンブリッジは、へぇ、と小さく声を漏らし、目をぎょろぎょろさせながらクリップボードに挟まるピンクの羊皮紙に書き込んでいく。
ガリガリと音がうるさいのでペンが壊れるか紙に穴が開くかどちらが先か、なんてセブルスと目を見合わせた。
　