～ツルネ～出来損ないのシンデレラ5【滝川雅貴，藤原愁】 (ページ36)

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矢場い…21 ページ36

雅貴「恋に落ちる時は理屈も理由も無い。兎に角落ちたという事象だけがある、その恋が実った時焦ってグイグイ押すと相手は遠ざかってしまう…弓道でいう理想の形とは無我の境地。中てたいという我欲を捨て去って弓と矢と的、そして自分だけの世界に入る事だ」

愁「…それはつまり「分かります！！」」

雅貴の話と表情を見てAに対して宣戦布告をしていると悟った愁はムッとしていると、佐瀬が同意の言葉を大声で言う

佐瀬「いや、今分かりました！俺ののりりんを思う時の気持ちは無我の境地だったんだ…滝川さん、のりりんに稽古をつける事を許可します！」
雅貴「え？ぁ…如何も。ありがとう」

宣戦布告したつもりの発言なのに何故かのりりんの稽古の許可が出されてしまい微妙な笑顔をする雅貴

佐瀬「弓道の目指す所が無我の境地ならアイドル道も同じです！己を消してただ彼女という存在がそこにある事だけを望む…それを確信できて今日は良い日です！！」

佐瀬がスッキリした顔で語り、千一、万次は我慢が出来なくなったのか声に出して笑い、結衣と本村は呆れた目で大きな溜息を吐いた

雅貴「まぁ…なんだ、何ていうか…良かった」

その後も射込みをしていたが、愁だけは雅貴の言葉が頭に残っていた

愁(一歩引く大人の恋…か)

そして、愁はAの後ろ姿をただただジッと見つめていた