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池沢side
「2人が並ぶとオセロみたいで面白いなー」
そう呑気に呟く父さんに母さんは吹き出した。
僕は若干腹立たせながらも荷物を車に運んでいく。
Aの方を見ると、案の定笑っていた。
どうやら、僕らが運んだ物で最後だったらしく 運び終わったあと、車に乗り込んだ。
父さんがアクセルを踏んで 車を進めると 家からは遠のいていっていて、丘を通り越した。
静かな車内の中に母さんが思い出したように話した。
「Aちゃん、楽しかった?」
『はい! すごく楽しかったです。 ありがとうございました!』
「ふふ、色々あったけどね」
そう言われると苦い顔をするA。
そんなAに両親は「可愛い、素直」など好意を示していた。
そんな中、大きなひまわり畑を車で通るとAが目を輝かせていた。
『…太陽を追いかけてるみたいだね』
不思議な感性を持つAに、僕はよく分かっていないまま頷く。
帰りの空には、白い雲がもくもくと出来上がっていた。
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「うちの娘がお世話になりました、ありがとうございました」
Aの家まで見送りに行くと、玄関からAの両親が出てきた。
Aと僕の、お母さんとお父さんは話し始めて 勢いが止まりそうな見込みはなかった。
僕は、玄関に座っているAの隣に腰掛ける。
『ねぇ、佳主馬 いいこと思いついちゃった』
「何?」
Aが作業しているパソコンの画面を見ながら話を聞く。
『今まで、ありそうでなかったシステム!
自分のアバターと話せる…みたいな?』
確かに、暇な時などには助かるシステムだ。
しかも、自分のアバターと話せると愛着がもっと湧く。
「いいんじゃない?」
『ふふ、時間かけて作ってこうと思って』
「でもどうして急に?」
そう聞くと、Aは一瞬悩む素振りを見せたが、僕に話し始めた。
『侘助さんが作った ラブマシーン っていたじゃん、ラブマシーンって名前は 侘助さんの思いが入ってたんだよ。
…簡単に言えば、認められて 愛されるような子に っていう願いがあるわけじゃん。
だったら、力じゃなくてコミュニケーションで愛して 愛されればいいなと思って』
その説明を聞いていると、父さんたちの話が終わったらしく 僕のことを呼んだ。
「楽しみにしてる」
それだけ言って、僕はAの家から出ていった。
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雫(プロフ) - らいおん!!!さん» 返信遅くなってごめんなさい!実はこの作品は最近読み直して削除しようか迷っていたものでした笑そんな素敵なコメントを貰えて嬉しいです!幸せなコメントをありがとうございます。これからも良い夢ライフを〜! (2021年12月16日 22時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 名前はまだないさん» 返信遅くなってごめんなさい!実は数年前に書いてたものもあるんですけど、、当時は文章に疎くて評価が酷くて、、、笑やっとリメイ クして、素敵なコメントも貰いながら完結させることが出来て嬉しいです。素敵なコメントありがとうございました^^* (2021年12月16日 22時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ゆりあさん» 返信遅くなってごめんなさい!感想ありがとうございます^^*壮大な夏、何歳になっても憧れますね!これからも頑張ります!元気になるコメントありがとうございます! (2021年12月16日 22時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
らいおん!!!(プロフ) - 2021年から失礼します!!!サマーウォーズ久々に見てかずま推しになったのをきっかけに、夢小説を調べていて貴方様の作品に辿り着きました...幸せな小説をありがとうございますっ!応援してます! (2021年7月23日 8時) (レス) id: cf380feacb (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだない - 2021年から失礼します!数年前に佳主馬の夢小説を探していたのですが、久々に検索してみてこんなに素敵な小説に出会えるとは思いもしませんでした笑 文章をかけるの凄いです!楽しく読ませてもらいました、ありがとうございました!!!!! (2021年7月19日 20時) (レス) id: 567784a46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年8月5日 22時