蝶屋敷の騒動 ページ21
「離してください!」
蝶屋敷から聞こえる女の子の声に何事だろう、と足を向けると、そこには見慣れた男性がいた。
「…宇髄さん、何してるんですか?」
そこには女の子を俵担ぎして連れ去ろうとしている音柱の宇髄天元がいた。
「おおAじゃねぇか、元気か?」
「元気か?じゃないですよ。傍から見たら完全に人攫いですよ。一体何やってるんですか?」
女の子を連れ戻そうと彼女たちの手を握っていたカナヲが、私を見てほっとした顔になる。
「今から任務で女がいるんだよ。」
それなら私が、と言おうとした時。
「女の子に何してるんだ!手を放せ!!」という、聞きなれた声が聞こえた。炭治郎だ。
「人攫いです、助けてください」と女の子が叫ぶ。
その言葉を聞いた炭治郎が頭突きをしようとするが、宇髄さんは軽々と避ける。
私は屋根の上に跳ぶ宇髄さんの後を追って、担がれている二人の女の子を救出した。
「てめっ、何するんだよ!返せ!!」
「嫌です!カナヲたちが嫌がってるでしょう!ちゃんと説明してから連れていくべきです。」
宇髄さんはいい人なのにそういうことするから誤解されるんですよ、とぶつぶつ言いながら女の子を地上に下ろす。
「大体、なんで蝶屋敷の子が必要なんですか?奥さんが心配なのはわかりますけど流石にしのぶさんが黙ってないですよ…?」
「嫁はもう潜入させてある。女の隊員がいるんだよ。継子じゃねぇ奴は胡蝶の許可を取る必要もねぇ」
宇髄さんの奥さんは優秀なくノ一だ。
それでも情報が足りないんだから、相手は相当な手練れなのだろう。
「じゃあ私が行きますよ、宇髄さんにはお世話になってますし。」
半分継子みたいなもんでしょう、とAにしては砕けた口調で話す。
その様子を珍しそうに炭治郎が見ていると宇髄は「あー…」と言いながら頭に手をやった。
「俺もお前の事連れていくつもりだったんだが、潜入場所言ったら冨岡がなぁ…」
反対したのか…
「俺もお前のことは勝手に継子だと思ってるけど、正式には冨岡の継子だしなお前。今回は留守番してくれや。」
そう言って宇髄さんは隊員のアオイを連れて行こうとする。
それを止めたのは炭治郎だった。
「アオイさんの代わりに俺達が行く!!」
伊之助と善逸も炭治郎の後に続いて名乗り出た。
そんな三人の様子を見て、宇髄さんは一瞬ピリピリとした空気を纏った後、
「あっそォ、じゃあ一緒に来ていただこうかね。」
と、やけにあっさり引き下がった。
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弥月(プロフ) - kannaさん» こちらこそありがとうございます!応援してます! (2019年10月13日 9時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - 弥月さん» コメントありがとうございます。初めての投稿になるため不安でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。読んでいただいて、本当にありがとうございます。続き、頑張って書きますね!! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 73f13c0ff4 (このIDを非表示/違反報告)
弥月(プロフ) - コメント失礼します。最初から一気に読ませていただきました!言葉では表せない程夢主ちゃんの心の強さや優しさが本当に素敵だなと思いました!言葉おかしかったらすみません…!続き、楽しみにしています!(*´`*) (2019年10月13日 4時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - アーロさん» 申し訳ありませんでした。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございません。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kanna | 作成日時:2019年10月12日 10時