43.『チューリップ』 ページ11
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どくんっ…どくん…
『っ…びっくりした。』
少し暖かな風が吹き抜ける廊下の柱に寄りかかる。
先程オランダと話した話が頭に残ってぼーっとする。
«「あんなやつ捨てて俺と一緒にいたらええ。…俺は大事な仲間を簡単に手放したりせんでの。」»
彼はシュロガンとオランダ本土の更に密接な関係の要求をしてきた。
だが今俺はスペインに支配されている身だ。俺ができることは限られている。
それに今回のことはオランダにとってなんの利益があるのか?
…地理的にも近いということで、彼とはイギリスについで長い間関わってきた。だからこそオランダが損得を考えて行動に移すやつだということを知っている。
«「俺は絶対守る。だからラシュレンも…信じねまー。」»
なぜそんなやつが、大国でもなくあっさり他国に支配されててしまうほど弱い国にいい顔をするのか。
『なんでなんだ?』
普段あまり見せない彼の笑顔が鬱陶しいほどこびりついて胸から離れない。
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「ラシュ…君?」
『っ!?』
「あ〜!やっぱりラシュ君か!どうも、はじめまして〜。うちベルギーっていうねん。さっきはお兄ちゃんとお話してくれたんやって?おおきにな〜!お兄ちゃんずっとラシュ君と話とうて話とうて…そう思っとったみたいやけどなかなか機会があらへんかったみたいで…」
『あ、あの…なんで俺の名前』
「あー、それな。それはスペインさんから聞いとったんよ。「新しい奴がくるで〜仲良くしたって〜」って。」
『そうなのか。』
いきなりのマシンガントークに驚きながらも、俺は柱に寄りかかるのをやめベルギーさんと向き合ってじっと彼女を見つめた。
「な、なんや?そんなみぃーひんでや〜照れてまうやろ?」
『え、あ…すまんな。なら俺から自己紹介はいらないか。』
「なぁ、うちこれから何か甘いもん作ろう思っとるんやけど…ラシュ君確か料理得意なんやってな?一緒に作らへん?」
『!是非。ベルギーだから…ワッフルやチョコレートが有名だったかな』
「(うぁ、一瞬呼び捨てで呼ばれた!思うて嬉しなってもうたわ…はずかし)せやで〜!よう知ってくれとるんやな〜嬉しいわー」
『ああ。だからよければベルギーさんが詳しく教えてくれ』
「ほんま罪なお人や…。」
そう言えば彼女は顔を真っ赤にしながらぎこちない動作で台所まで連れていってくれた。
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ごめんなさい。北陸弁ほんと分かんないです。間違っていたら教えてくください。
イラストをいただきました!→←世界史の試験範囲をヘタリアでパロってみた
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ミミカ - 失礼します!主様の作品とても面白くてあっという間に読んでしまいました!何かしら理由があるんだと思いますが、是非また更新をしてくださったらとても嬉しいです!更新待っています! (2022年6月5日 16時) (レス) @page2 id: e447b7200f (このIDを非表示/違反報告)
偉すぎてエラ呼吸(プロフ) - めっちゃ好きですッ…面白すぎてつい一気読みしてしまいました!ぜひ続きを、 (2022年3月25日 5時) (レス) id: a5778fa8fe (このIDを非表示/違反報告)
いんぬ - めっちゃ好きです!一気読みしちゃいました!! (2022年3月5日 22時) (レス) id: 529ebb08c2 (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - ミルクケーキ@トシさん» ヘタリアのノリで三枚舌面白そうだなと思ったら、ハマってたんですよ…私も再熱したらなあ、でも世界史授業もう一生取れんのよなあ。そのかわり化学しろとかorz (2020年3月21日 19時) (レス) id: ceccbda881 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクケーキ@トシ(プロフ) - あ、好きです!dの方に移ったんか、私とは間逆かぁ、 (2020年3月18日 6時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふてんにぶおんぷ | 作成日時:2019年4月2日 23時