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廿捌 ページ30

*







「あれ?今日も来たんだね」


『あ、ご、御免なさい。迷惑、でしたよね…』


「いやぁ、此方としては大歓迎だよ。と云うか其の自虐的(ネガティブ)は相変わらずみたいだね」


そう云って楽しそうに笑う彼。

一応場所が場所、と云うか図書館なので静かにするべきなのだろうが司書で有る彼には何も云う事は出来ない。


「ここ最近、毎日来て呉れて嬉しいなァ、俺は。何たッてこんなに通い詰めて呉れるなんて何年ぶりかな」


『あ、はは』


そう。彼の云う通り、私は毎日此処に足を運んでいる。

つまり、探偵社には行っていない。


其れを決心したのは、彼の変わった素敵な帽子が似合う彼の助言(アドヴァイス)がきっかけだった。






*


『な、中原様』


「堅苦しい。次」


『な、中原、うぅ、さ、ん…?』


「うーん、何か違ぇな。次」


『ひ、中原中也さん』


「ンで、フルネェムなンだよ。嗚呼、もう、下の名前で呼べ!判ッたな?」


『は、はひ…』



時は遡り二週間前。

私は彼__中原、否、中也さんと話していた。


普通なら、初対面の人と話すと得意の人見知りを発動して仕舞い、会話をする事すら難しいのに今回は何故か平気だった。


其の何故か、は今になっても全く判らないけど。



「其れで、何でこんな処にいるンだよ?」


核心を突いた質問に一瞬だけたじろぐ。

目敏(めざと)い彼がそんな一瞬を見逃す訳も無く、直ぐに詰め寄られる。


『否、一寸、散歩してただけで…』


「随分と遅ぇ時間だなァ」


『え、えと、実は私、夜寝る前に海を見なきゃ落ち着かなくて…』


「ふぅん、善く此処に来るが、手前を見付けたのは今日が初めてだなァ」


ぐうの音も出ない位に完璧に論破されて仕舞って、仕方無しに今迄の出来事を掻い摘んで話す。


『───と、云う事が有りまして…』


「成程な。で、手前は何で、否、何にそんなに苛ついているンだ?」


『、えッ…?』


「少なくとも、俺にはそう訊こえたぞ?」


其れは、屹度自分。

多分、自分に対して苛ついているんだ。先刻も、今も。

でも、何故か其れを云ったら嫌われて仕舞う様な気がして云えなかった。



「だが、手前に対する其の、姉様ッて奴の気持ちは本物だッたのは慥かだろうな」


突然云われた其の言葉に私は只、驚く事しか出来なかった。





▼▽▼

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最後のわがままを君に。【降谷零】

他ジャンルですが宜しければどうぞ…!







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黒蜜おもち - 終わり!?おっおわ……続き、ください。。。 (3月28日 12時) (レス) @page38 id: b91ecec67d (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 続きをお恵みください… (12月30日 21時) (レス) @page38 id: 5d2aa23f76 (このIDを非表示/違反報告)
山羊のサーカス(プロフ) - 終わり...だと...!?再度更新を願っております...! (11月25日 18時) (レス) @page38 id: 78c8c266f2 (このIDを非表示/違反報告)
かぐや - 終わっちゃった…更新して欲しいです!!お願いします… (9月8日 21時) (レス) @page38 id: 65c95105c4 (このIDを非表示/違反報告)
rai - お、終わり⁉︎是非更新をしてくれることを願って (8月19日 22時) (レス) @page38 id: 67327e3dd8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふにゃた | 作成日時:2018年2月18日 19時

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